【2024年施行】医師の働き方改革とは? |労働時間管理など6つのポイント - クラウドPBX モッテル

【2024年施行】医師の働き方改革とは? |労働時間管理など6つのポイント

勤怠管理

Q: 【2024年施行】医師の働き方改革とは? |労働時間管理など6つのポイント

A:
医師の働き方改革とは

2021年の医療法等改正法成立に続いて、2024年の4月より、医師に関しても時間外労働の上限規制が適用となります。
こうした「医師の働き方改革」に適応していくためには、医師の働き方改革の概要だけでなく、法改正のポイントを理解したうえでの早め早めの対応がカギとなります。
本記事では、2024年開始の医師の働き方改革の概要とおさえるべきポイント、働き方改革の実現に向けてどのような対策をすべきなのかについて、医師の方に向けてわかりやすく解説していきます。

目次
  1. 医師の働き方改革で高まる労働時間管理の重要性
  2. 医師の働き方改革にいたる背景
  3. 医療法等改正法について
  4. 医師の働き方改革の対象者とは
  5. 医師の働き方改革の6つのポイント
  6. 医師の働き方改革の実現のためには
  7. 医師の働き方改革には「MOT勤怠管理」がおすすめ

1. 医師の働き方改革で高まる労働時間管理の重要性

2024年の4月から開始する予定の「医師の働き方改革」では、

・勤務医師の年間の総時間外労働時間の上限は原則として960時間
・連続勤務時間に制限を設けたり、面接指導を長時間の勤務医師に行うなどして、勤務医に健康管理を促す

といった、医師の働き方の正常化への取り組みの数々が実行される予定です。

普通の勤務医であればA水準
長時間労働が地域の医療確保のために必要となる医師はB水準
ある特定の高度技能を習得するために長時間の修練が必要となる医師や
集中して長時間の経験を積む必要のある研修医や専攻医はC水準と見なされ、
以下の通りに時間外労働時間の上限規則が設定されます。

各水準 対象の医師 最大時間外労働数上限
A水準 あらゆるすべての医師(診療従事勤務医も含む) 年960時間以下/月100時間未満(休日労働も含む)
B水準 地域医療暫定特例水準(緊急性の高い「救急医療」等を行う医療機関) 年1860時間以下/月100時間未満(休日労働も含む)
C水準 集中的技能向上水準(短期間集中で症例経験を積む必要のある医師「例: 初期臨床研修医・新専門医制度の専攻医など」) 年1860時間以下/月100時間未満(休日労働も含む)

もし、これら設定された月あたりの上限時間を超過して勤務する場合は、各水準ごとで面接指導の他に、各種義務または処置が必要となります。

各水準 義務 努力義務
A水準 面接指導・就業上の措置 健康確保措置
B水準 面接指導・就業上の措置・健康確保措置 なし
C水準 面接指導・就業上の措置・健康確保措置 なし

面接指導および就業上の措置はA・B・C水準のどの水準でも義務となります。
健康確保措置は、A水準では努力義務として、B・C水準では義務として行わなければなりません。

※健康確保措置とは

月上限を超過して労働を行う医師に対し、28時間の連続勤務時間制限を設置するとともに、勤務間のインターバルとしての休憩時間を9時間確保するか、代わりとなる休息を用意する措置のこと。

厚生労働省が2020年12月に出した資料(医師の働き方改革の推進に関する検討会)では、別添えとして「労働時間短縮の取組の評価に関するガイドライン」が案として示されたり、「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」が用意されたりしています。
こうした公式の資料を参考として、総労働時間の把握に制度の見直しなどの対応を各医療機関は行っていく必要があります。

2.医師の働き方改革にいたる背景

医師の働き方改革が始まったきっかけとなる背景には三つの原因があります。

背景 説明
労務管理の不足 客観的な方法で打刻など時間管理が行われていない・36協定の未締結
医師への業務の集中 血圧測定・症状の説明・記録作成までを医師が担当するような業務集中が発生してしまっている。
長時間労働を医師が強いられる 病院常勤勤務医のおよそ4割が年間960時間越え、約1割が年1860時間超もの時間外労働や休日労働を強いられる。
(参考) 厚生労働省「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」

これまでの日本の医療の現場は、病院常勤勤務医の約4割が年960時間の時間外勤務をこなすなど、医師が長時間の労働を行うことによって支えられてきた現状がありました。 重ねて、時間外の労働の上限を取り決める36協定が未締結であったり、労働時間の客観的把握の仕組みがなかったりなど、労務管理の不十分な医療機関も多々存在しました。 今回の働き方改革関連法案の成立を契機として、健康かつ長く働き続けられる職場環境づくりが医師に求められつつあるのです。

(参考)厚生労働省「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」

3.医療法等改正法について

医師の働き方を具体的に推し進めるための法律とはどのようなものなのでしょうか。
その法律の名前は、「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令」です。
非常に長いため、「医療法等改正法」という略称が与えられています。
この医療法等改正法の目的とは、時間外労働上限規制の適応開始(2024年4月1日)へ向けて、医療機関や医師が行う取り組みを支援することです。

改正の趣旨
良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進する観点から、医師の働き方改革、各医療関係職種の専門性の活用、地域の実情に応じた医療提供体制の確保を進めるため、長時間労働の医師に対し医療機関が講ずべき健康確保措置等の整備や地域医療構想の実現に向けた医療機関の取組に対する支援の強化等の措置を講ずる。

(参考)厚生労働省資料 2スライド目

より具体的に内容を上げるなら
・医師が働く職場環境の改善のための医師労働時間短縮計画を作成
・医師の健康確保を目的とする「面接指導・連続勤務時間制限・勤務間インターバル制度」等の制度の導入を促進する
・都道府県知事が、集中的研修実施や地域医療の確保の観点から、例外として長い勤務上限時間を許可する医療機関を定める制度を創設する
(参考)厚生労働省資料

などの施策を行い、医師の働き方改革を前進させることが狙いです。

4.医師の働き方改革の対象者とは

2024年の4月に開始する「医師の働き方改革」では、医師以外の医療従事者にも適用されるのでしょうか。 厚生労働省の資料によれば、

2024 年4月から始まる制度(上限規制・健康確保措置)の対象となる医師は、病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院に勤務する「医業に従事する医師」になります。

という説明がなされており、あくまで「診療所・病院・介護老人保険施設」などで勤務している「医業に従事する医師」のみに限定されています。
したがって、検診センター所属の医師や従業員の健康管理を担う産業医などは、今回の働き方改革には含まれないこととなります。
重ねて、医師以外の医療従事者の労働者であれば、そもそも2019年4月の時点で時間外労働の上限規則を守っている必要があります。

5.医師の働き方改革の6つのポイント

もしも、医師の働き方改革にそぐわないような労働実態がある場合、労働時間についての取り決め違反には特に、罰則が課されてしまう恐れがあります。
労務上のリスク回避のためにも、医師の働き方改革へのポイントを抑えて対応を行いましょう。
医師の働き方改革に関する検討会の資料では、以下の6つの取組みを各医療機関が実施するように布告がなされています。

1 医師の労働時間管理の適正化に向けた取組
2 36協定等の自己点検
3 既存の産業保健の仕組みの活用
4 タスク・シフティング(業務の移管)の推進
5 女性医師等に対する支援
6 医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取組

このうち、1~3の項目については、今現在の労働法制において求められる事項も含んでいるため、すべての医療機関で着実に実行されなければならないと資料内で明言されています。

(1)医師の労働時間管理の適正化に向けた取組

医師の働き方改革に関する検討会によれば、まず最初に行うべきこととして、この「1 医師の労働時間管理の適正化に向けた取組」が挙げられています。医師の勤務時間を客観的に把握するために、タイムカード・ICカード等を導入して出退勤時刻の記録を上司が確認するといった対策が必要になります。

(2)36協定等の自己点検

労働時間管理の仕組みがしっかりと構築できたら、36協定を締結できているかどうかと36協定の具体的な中身が適切なものかの確認をしましょう。
医師ならば、業務や職種ごとで適切な定め方がなされているかどうかの確認が重要となります。
重ねて、その内容で決められた限度を超過した時間外労働が一体どれほど起きているかを把握しましょう。
医師を含む医療従事者の時間外労働時間数についての自己点検と見直しが実施され、36協定の適用対象の医師に対し、36協定についての実践的理解を求めることもまた重要となります。

(3)既存の産業保健の仕組みの活用

労働安全衛生法では、衛生委員会や産業医といった「産業保健」の仕組みの設置が求められています。
しかし現行の医師の働き方の中では、そうした仕組みが設置されていても、十分に活用できていない実態があるのが現実です。
長時間勤務を強いられている医師や診療科ごとで、こうした仕組みの利用について議論を深め、対応策を講じるのが良いでしょう。
そのうえで、「4 タスク・シフティング(業務の移管)の推進」「6 医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取組」の事項についても検討が図れるとなおよいと言えます。

(4)タスク・シフティング(業務の移管)の推進

「タスク・シフティング」とは、医師の担う業務を病院勤務の薬剤師や看護師といった「コメディカルスタッフ」に業務移管や共同化を行うことで、医師への業務の集中を軽減させようという働きかけ運動のことです。
2019年に「医師の働き方改革に関する検討会」がこの「タスク・シフティング」を推し進める動きを見せたことから、近年注目が集まりつつあるのです。
タスク・シフティングの中でも、検査手順や入院についての説明、診断書の入力といった業務に関しては医師以外の職種の従業員に分担し、実施することが強く求められています。
こうした作業を効率化するITツール等は多数出てきているため、これらのツールを用いて医師の負担を軽減するのがおすすめです。

(5)女性医師等に対する支援

この項目は、主に女性医師が「出産・育児・介護」といったライフイベントにおいて、またキャリア形成上において支障をきたさないために設けられたものです。
SDGsにおいても、「5 ジェンダー平等を実現しよう」という目標があることからも分かる通り、医療の現場でも女性に対する職場環境の正常化が世界規模で求められているのです。
各医療機関・医師ごとで、短時間勤務・フレックスタイム制といった柔軟な働き方を推進するなどの細かな対応が求められます。

(6)医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取組

各医療機関は医師の労働時間を短縮するために、勤務時間外の緊急時以外の病状説明などの対応を行わないようにしたり、勤務間インターバルに完全休日を設定するといった対策が必要とされています。
それ以外にも、「複数主治医制」を設定したり、連続勤務時間数を考慮しつつ退勤時刻を設定する等の施策が求められています。

(参考)厚生労働省「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」

6.医師の働き方改革の実現のためには

医師の働き方改革はまず労働時間管理から

各医療機関は、最初に「(1) 医師の労働時間管理の適正化に向けた取組」の観点から、労働実態の把握を進めることをおすすめします。

そうした労働実態把握のためには、タイムカード等のアナログな打刻方法よりも、客観的な労働時間の把握が可能な「勤怠管理システム」を導入するのがおすすめです。
医療機関に導入をするシステムを選ぶ際は慎重に進める必要があります。
というのも、医師の勤務体系の複雑さゆえに一般企業向けの勤怠管理システムでは対応しきれない恐れがあるためです。

医師の勤務体系にも対応が可能な勤怠管理システムを選定する際は、以下の点に注意する必要があります。

各医院に合う打刻方法になっている

時間外の上限規則の順守のためには、正しい出退勤打刻の記録を取ることがまず前提として必要です。
というのも、自己申告での打刻・時刻の記録では改ざんが簡単にできてしまい、隠れ残業の原因となるリスクがあるからです。
したがって、スマートフォン・タイムカード等によって客観的な時刻記録を取ることが重要ではありますが、医師に正確な打刻をしてもらうことに苦戦している病院が多数あるのが現実です。

昨今の世の中では、あらゆる打刻方法が存在します。ただ、どんな方法にもメリットとデメリットが存在しており、どの方法が最も効率が良いかは各医療施設ごとで異なってきます。
自身の医療施設にとってどの打刻方法が適切なのかを見定めて、それに対応が可能なシステムの選定を行うことが重要です。

医師独特の勤務形態でも正確な記録が可能か

呼出当番・宿日直など複雑な勤務体系のある医師の業務では、そうした複雑な勤務体系でシフト管理が可能なシステムを選ぶことが求められます。
一般企業よりも数段難しい勤怠管理が必要なため、できうる限り柔軟な設定を組むことが可能なシステムを取り入れることが求められます。
重ねて、勤怠システムの設定を組むこともその勤務の複雑さゆえに難しいため、導入の前と後でサポートがしっかりとしたシステムを選ぶことも重要なポイントです。

実働期間とそれ以外の時間の区別が可能か

医療機関や医師の勤怠管理では、実働時間と非実働時間(宿日直時間・待機時間・研鑽時間) を区別しつつ記録できるかどうかが重要となります。
現状では、労働時間に含まれる時間とそうでない時間の区別を明確に付けずに時間管理を行っているケースが多数あることでしょう。もしこのまま続けてしまえば、忙しい医師は途端に労働時間の上限に達してしまい、強制的な面接指導に就業上の処置を行わなければなりません。
したがって、単純な出退勤打刻のみならず、勤怠管理システムの中でも実働時間とそれ以外の非実働時間を区別して計測できるものが求められます。

重ねて非実働時間についても、ただ単に研鑽時間を記録するだけでなく、何をしていた研鑽時間だったかのコメントを付けられるかどうかも重要です。 また、宿日直勤務の階数に応じて、手当が付与される医療施設も多いために、このような回数カウントが可能かどうかもポイントとなります。

操作性のよいシステムの導入を検討する

医師というのはどうしても忙しくしていることが多いために、日々の出退勤打刻を含め自身の長時間労働についてチェックを毎日行っていくことは極めて難しい現状があります。
できる限り、業務に支障がないように、かつ誰もが迷うことなく操作が可能なシステムを選び、医師に勤怠管理の上での負担をかけさせないことが重要です。

例を挙げるなら、ただ単に出退勤時刻上のエラーがあると表示するだけでなく、労働時間の上限規則に接しそうなのか、打刻漏れが発生しているのかなど具体的にエラー内容を示せるシステム等が、負担を与えない勤怠管理システムと言えるでしょう。

7. 医師の働き方改革には「MOT勤怠管理」がおすすめ

悩む男女

医師の働き方改革を進めるのにおすすめの勤怠管理システムの選び方は分かりましたが、そうした勤怠管理システムの中でも、 ぴったり医師に必要な機能を満たしてくれる勤怠管理システムとはどういったものなのでしょうか。

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