Q: 発信専用とは?法人が導入するメリット・方法・活用事例を徹底解説

企業の電話対応において、効率化や担当者の負担軽減は大きな課題です。
「通知だけを送りたい」「営業電話を効率的に発信したい」といった場面では、折り返しを受ける必要がないケースも少なくありません。
最近では折り返しの電話があっても、担当者が対応できないケースも増えています。
こうしたニーズに応えるのが 「発信専用番号」です。
発信専用番号を活用すれば、顧客に確実に情報を届けながら、着信対応の手間を省くことが可能になります。
導入は年々広がっており、折り返し不要のケースではコールセンター・通販業界・病院やクリニック・金融業界などで、折り返し対応が難しいケースでは営業会社や保守点検業務などで多く利用されています。
本記事では、
・発信専用番号の意味と仕組み
・法人が導入するメリット
・導入方法と利用できるサービス比較
・業界別の活用事例
について分かりやすく解説します。
自社の業務に「発信専用」を取り入れることで、どのように効率化できるのか、ぜひ導入検討の参考にしてください。
- コンテンツの目次
発信専用とは?
発信専用番号の意味
発信専用番号とは、法人が顧客対応や通知業務を効率化するために利用する電話番号で、電話をかけることはできても、相手からの着信(折り返し)を受けられない番号のことを指します。
企業が顧客への連絡や通知を効率的に行うために利用されるケースが多く、一般の電話番号のように双方向でやり取りするための番号ではありません。
受信できない仕組み
発信専用番号は、あらかじめシステム側で「着信を受け付けない」ように設定されています。
・クラウドPBXやIP電話サービスで「発信のみ許可」に設定
・050番号アプリを発信専用として利用
・携帯やSIMを「着信拒否設定」で発信専用化
といった方法が代表的です。
そのため、顧客が折り返し電話をかけようとしてもつながらず、「この番号は発信専用です」といったアナウンスが流れることがあります。
法人での活用事例
工事・保守点検のお客様連絡
設備工事や定期保守点検の現場では、お客様に事前連絡や進捗報告を行う必要があります。
しかし、作業中は担当者が電話に出られないことも多いため、発信専用番号を使って事務所スタッフや自動音声システムから連絡を代行できます。
これにより、「担当者と連絡が取れない」という不満を防ぎ、現場作業と顧客対応の両立が可能になります。
営業マンのお客様連絡
営業担当者が顧客とやり取りする際にも発信専用番号は有効です。
営業活動中は商談や移動で電話に出られないケースが多く、顧客からの折り返しに即時対応できないことがあります。
そのため、発信用に専用番号を設け、折り返しは代表番号やコールセンターに集約する運用が有効です。
これにより、営業マンは活動に集中しつつ、顧客からの連絡を取りこぼさない体制を整えることができます。
コールセンターの営業架電
コールセンターでは、大量の営業架電やフォローコールを効率的に行うために発信専用番号が使われます。
顧客からの折り返しは代表番号やサポート窓口に集約できるため、**「発信は専用番号」「受信は代表番号」**と分けることで運用がスムーズになります。
病院・クリニックの予約リマインド
医療機関では、診察予約の前日に自動音声やSMSでリマインドを送る仕組みが普及しています。
これにより、無断キャンセルの削減や診療スケジュールの最適化につながり、患者さん・医療スタッフ双方の負担を軽減できます。
EC・通販の発送通知・SMS連絡
ネット通販や物流業界では、発送完了通知や配達予定連絡をSMSで送信するのが一般的になっています。
顧客が電話を取れない状況でも確実に情報を届けられるため、配送トラブルの防止や顧客満足度の向上につながります。
金融・保険業界の本人確認や連絡
銀行や保険会社では、本人確認や重要な契約内容の確認に発信専用番号が利用されます。
SMSでワンタイムパスワードを送信したり、本人不在時の着信を残したりすることで、セキュリティと顧客対応を両立できます。
法人が発信専用を導入するメリット
顧客対応を効率化できる
発信専用番号を利用すれば、「顧客に確実に情報を届ける」ことに特化できます。
例えば、商品発送の連絡や予約確認など、顧客からの折り返しが不要なケースでは、双方向のやり取りを前提としない分、業務の効率化につながります。
必要な情報を一方通行で届けられるため、オペレーターの時間を他の対応に振り分けることが可能です。
電話対応の負担を減らせる
通常の電話番号を利用すると、顧客から折り返しが入ることがあり、対応に追われるケースも少なくありません。
しかし発信専用番号であれば、着信自体が発生しないため、「不要な折り返し対応」や「営業時間外の着信」から解放されます。
その結果、コールセンターやバックオフィスの業務負担を大きく軽減できます。
営業活動やリマインド通知に最適
法人にとって発信専用番号は、大量発信が求められる業務に特に有効です。
・コールセンターによる営業架電
・病院・クリニックやサロンでの予約リマインド
・金融機関からの契約更新や支払い通知
こうした用途において、発信専用番号は「顧客に必要な情報を確実に伝える」ことを目的として活躍します。
プライバシー保護・業務と私用の分離
個人のスマートフォンや社用携帯をそのまま使って発信すると、番号が相手に表示され、プライバシーの侵害や私用との混同につながるリスクがあります。
発信専用番号を導入すれば、従業員が安心して業務を行えるだけでなく、会社としても顧客対応用の番号を統一できるため、信頼性の確保にもつながります。
発信専用の注意点・デメリット
折り返しができないことによる不便
発信専用番号は着信を受けられないため、顧客が折り返しの電話をかけてもつながりません。
そのため、顧客側に「問い合わせたいのに連絡できない」という不便さを感じさせる場合があります。
対策としては、問い合わせ用の代表番号やサポート窓口を別途案内することが欠かせません。
信頼性・迷惑電話と誤解されるリスク
発信専用番号は、顧客からすると「一方的にかかってくる番号」です。
そのため、知らない番号からの着信を「営業電話」や「迷惑電話」と誤解される可能性があります。
特にSMSの場合、なりすまし詐欺に利用されるケースも多いため、顧客に安心して受け取ってもらうためには、企業名や送信目的を明確に伝える工夫が重要です。
法規制や番号表示の注意点
電話番号を利用する際には、電気通信事業法や総務省のガイドラインなどに従った運用が求められます。
特に大量発信やSMS送信を行う場合、
・架電リストの適正管理(個人情報保護法対応)
・電話番号表示の適正化(発信者番号通知の義務)
・特定商取引法や迷惑電話対策に関するルール
などを守らなければなりません。
法律に抵触しないよう、導入時は必ずサービス提供会社の案内や規制内容を確認しておく必要があります。
発信専用サービスの比較【法人向け】
発信専用の仕組みはひとつではなく、利用目的や規模に応じて最適なサービス形態を選ぶことが重要です。ここでは代表的な4つのタイプを比較します。
クラウドPBX型
クラウドPBXを利用すれば、会社の代表番号や050・0120番号を発信専用として利用可能です。
内線やIVR(自動音声応答)、通話録音などの豊富な機能と組み合わせられるため、コールセンターや複数拠点を持つ法人に最適です。
弊社バルテックが提供するクラウドPBX「MOT/TEL」(モッテル)では発信専用番号を利用する際に起こるデメリットを補える機能が多くあり、発信専用番号を導入する企業様に多く選ばれています。
050番号アプリ型
スマートフォンに専用アプリを入れて利用するタイプです。初期費用や設備が不要で、小規模な営業チームやテレワークに適した低コスト運用が可能です。
ただし、着信拒否設定や迷惑電話と誤解されるリスクに注意が必要です。
携帯・SIM型
法人向けの携帯回線やSIMカードを使って、発信用に番号を付与する方法です。
携帯端末を営業担当ごとに持たせたいケースに便利で、導入のハードルも低めです。
一方で、端末管理や回線コストが積み上がりやすい点には注意が必要です。
SMS送信サービス型
電話ではなくショートメッセージで通知を行う仕組みです。
予約リマインドや督促通知、配送連絡などに活用されており、不在時でも確実に情報を届けたい場合に有効です。
ただし、URL付きSMSはフィッシング詐欺と誤解されやすいため、文面の工夫が欠かせません。
サービス形態 | 主な利用シーン | 初期費用/月額費用 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
クラウドPBX型 | コールセンター/複数拠点対応 | 中~高 | 内線化、IVR、録音、CRM連携など多機能 | 導入に社内調整が必要 |
050番号アプリ型 | 小規模営業 / テレワーク | 低 | スマホで簡単導入、低コスト | 信頼性・番号認知度が低い |
携帯・SIM型 | 外回り営業 / 担当者ごとの番号運用 | 中 | 端末ごとに番号付与、モバイル性高い | 回線・端末管理の負担あり |
SMS送信サービス型 | 予約リマインド / 督促 / 配送通知 | 低〜中 | テキストで確実通知、API連携可 | フィッシングと誤解されやすい |
クラウドPBX「MOT/TEL」で発信専用機能のメリット
発信専用番号は「折り返しができない」「誰に繋げばいいかわからない」といった不便を生みやすく、そのまま導入すると顧客満足度を下げてしまう恐れがあります。
しかし、クラウドPBX「MOT/TEL」では、その課題を解決するための機能が豊富に備わっており、発信専用を導入しても顧客対応の品質を維持できるのが大きな特徴です。

主な機能とメリット
1.自動音声応答(IVR)
折り返しの電話があった場合でも、自動音声で「営業部へのご用件は1を押してください」といった振り分けが可能。
部署や担当者にスムーズにつなげられるため、顧客の不便を最小化します。
2.CTI機能(着信時ポップアップ)
折り返し着信時に顧客情報をパソコン画面に表示できるため、過去の対応履歴を確認しながら応対可能。
事務スタッフでも安心して一次対応でき、顧客体験を損なわずに済みます。
3.全通話録音
折り返しが別の担当者に入った場合でも、録音を確認すれば内容を正確に把握できます。
顧客への引き継ぎ漏れを防ぎ、一貫した対応品質を維持できます。
4.優先着信
優先着信は、顧客からの折り返し電話を自動的に指定された担当者やグループに転送する機能です。
例えば「前回通話した担当者の内線に直接つなぐ」「特定の担当者グループに優先的に着信させる」といった設定が可能です。
前回通話者着信
前回応対した担当者の内線に優先的につなぎます。
前回担当者が出ない場合、指定の別の番号につなぎます。
・設定例

内線番号・グループ指定着信
あらかじめ登録した特定の内線番号やグループに着信させます。
部署や役割ごとに効率的な対応が可能です。
・設定例

5.テレワーク対応
MOT/TELはスマホやパソコンでも利用できるため、折り返しの受付業務を在宅スタッフが対応することも可能。
現場に人が不在でも、全国どこからでも柔軟に顧客対応が行えます。
まとめ
発信専用番号は、営業架電や予約リマインド、発送通知など、法人の業務効率化に大きく役立つ手段です。
一方で 「折り返しができない」「迷惑電話と誤解される」といったデメリットもあるため、導入前に十分理解しておくことが欠かせません。
そのうえで、クラウドPBX・050番号アプリ・携帯SIM・SMS送信サービスといった複数の選択肢の中から、自社の業務フローや顧客対応に最適な方法を選ぶことが重要です。
特にクラウドPBX「MOT/TEL」では、IVRやCTI、全通話録音、優先着信など、発信専用番号の弱点を補う機能が豊富に備わっています。
適切に導入・運用すれば、発信専用番号は単なるコスト削減策ではなく、顧客満足度を維持しながら効率化を実現できる強力なツール/となるでしょう。
発信専用番号の導入を検討中の企業様は、まずは「MOT/TEL」の機能をチェックしてみてください。