Q: 転送電話サービスとは?仕組みや料金から無料で利用する方法まで徹底解説
会社にかかってくる電話を外出先や別の担当者へつなげたい――。
そんなときに役立つのが「転送電話サービス」です。
営業担当が外出中でも取りこぼしを防げるほか、人手不足の部署でも効率よく対応できるため、多くの企業で導入されています。
一方で、キャリア転送は転送時の通話料金が発生するため、「できれば余計なコストはかけたくない」という声も少なくありません。
また最近では、転送サービスだけでなく、主装置転送(ビジネスフォン)やクラウドPBXなど、より柔軟にスマホで固定電話を受けられる仕組みも広がり、選択肢が増えています。
「自社にはどの方式が最適なのか?」
「そもそも転送サービスだけで十分なのか?」
「スマホで代表番号を出せる方法は?」
本記事では、転送電話サービスの基本から、キャリアの転送オプション比較、転送以外の方法との違い、選び方のチェックリストまで、導入検討に必要な情報をわかりやすく整理してまとめました。
最適な電話環境を選ぶためのガイドとして、ぜひご活用ください。
- コンテンツの目次
1.転送電話サービスとは
転送電話サービスとは、会社の固定電話にかかってきた着信を、あらかじめ設定した別の電話番号(スマートフォン・携帯電話・別拠点など)へ自動で転送する仕組みです。オフィス不在時でも電話を受けられるため、外出の多い企業や少人数で電話対応している事業者を中心に利用されています。
まず、電話転送には大きく3つの方式があります。
1.キャリアの転送サービス(NTT・ソフトバンク・au)
NTTやソフトバンク、auなど通信キャリア側の回線で転送を行う昔ながらの方式です。
転送設定は回線契約に紐づいており、電話機や主装置の種類に依存しないのが特徴です。
ただし、転送時の通話料が必ず発生する点や、機能の柔軟性が低いことが課題となるケースもあります。
2.主装置転送(ビジネスフォン)
オフィスのビジネスフォンに搭載されている「主装置(PBX)」が転送を実行する方式です。
特定の着信電話番号ごとに転送先を設定したり、一定の着信ルールを細かく組めたりと、キャリア転送より柔軟な設定ができる点が強みです。
一方で、主装置がオフィス内にあるため、災害時のBCPには弱いという課題があります。
3.クラウドPBXによるスマホ転送
クラウドPBXは、電話機能をクラウド上で管理する新しい仕組みです。
転送というより、スマホを“会社の電話機(内線)として登録するイメージで、アプリで会社番号の着信をできるだけなく、会社番号を発番して発信も可能になります。
クラウドPBXは
・外出先でも固定番号を発着信できる
・コールセンター機能・IVRなど高度な着信制御が可能
・転送通話料がかからない
といったメリットから、近年はキャリアの転送サービスに代わる主流の選択肢になっています。
2.転送電話サービス導入のメリット
1.新規電話の取りこぼし防止
営業担当が外出していても、会社にかかってきた電話をスマホへ転送できるため、商談・問い合わせの取り逃しを防止できます。
BtoB、BtoC両方とも新規問い合わせは対応スピードが評価につながるため、機会損失の防止に直結します。
2.人手不足対策
受付スタッフや事務担当が不足していても、複数の社員へ着信を転送することで、少人数でも電話対応を回せる環境を構築できます。
対応できる人が限られる場合でも、部門やチームへ転送することで負荷分散が可能です。
3.顧客満足度の向上
「誰も出ない」「折り返しが遅い」といった不満を減らし、顧客にとってストレスの少ない電話体験を実現できます。確実に担当者へつながる体制を作ることで、顧客対応の品質向上につながります。
4.業務効率化(取次ぎ削減・一次対応の改善)
担当者のスマホに直接転送されるため、総務・受付が行っていた取次ぎ業務の手間を削減できます。また、最初の受け口を一本化できるため、一次対応のスピードが上がり、業務全体の効率化に寄与します。
3.キャリアの転送サービス(NTT / ソフトバンク / au)
転送電話サービスのメリットを理解したところでまず、もっともシンプルな転送サービスの「キャリア転送サービス」について見ていきましょう。
キャリアが提供する固定電話向け転送サービスは、キャリアに申込だけでできるので導入しやすく、小規模事業者から大企業の拠点まで幅広く活用されています。
ここでは、主要3社(NTT・ソフトバンク・au)が提供している代表的な転送サービスの特徴をまとめました。
・NTT東西:ボイスワープ
加入電話やひかり電話向けに「転送サービス(ボイスワープ)」を提供しており、無条件転送・話中転送・無応答転送など幅広い転送方式に対応しています。外出先から設定を変更できるリモート操作など、業務用途にも使いやすい柔軟性が特徴です。
・ソフトバンク:多機能転送サービス
固定電話向けの「多機能転送サービス」を展開しており、シンプルに着信を別番号へ転送する仕組みを提供しています。機能は比較的シンプルですが、導入しやすい点や低負荷で運用できる点が特徴です。
・auビジネス:着信転送サービス
光回線とセットで利用する固定電話サービス向けに「転送オプション」を提供しています。無条件転送のほか、時間帯によって転送を切り替えるスケジュール転送にも対応しており、営業時間外だけ転送したい企業などでも使いやすい仕様になっています。
キャリア別転送サービス比較表
| キャリア / サービス | 月額料金(目安) | 主な転送方式・機能 | 運用上のポイント |
|---|---|---|---|
| NTT / ボイスワープ・ / ボイスワープセレクト等 | 住宅用目安:約 ¥550〜、ボイスワープセレクトは住宅用 約 ¥715〜 | 自動転送、応答後転送、リモート設定、発信元番号による振り分け(セレクト) | 固定回線中心で複雑な転送制御が必要な事業に向く。回線種別で料金や必要手続きが変わる。 |
| SoftBank / 多機能転送サービス | 月額:¥800 | 複数転送先登録、リモート操作、転送条件選択など(申し込みが必要な多機能プラン) | シンプル転送と多機能転送で提供形態が異なるため、必要機能を確認して選択するのが重要。転送時の通話料負担ルールにも注意。 |
| au / 着信転送サービス | 月額:¥550 | 無条件転送、話中転送、時間帯指定転送(スケジュール転送) | auで光回線+電話をまとめている企業に向いている。 |
キャリア転送電話サービスの種類
ここでは、キャリア転送電話サービスの転送設定の4つの種類を紹介します。
無条件転送(常時転送)
着信があった時点で、固定電話機を鳴らさずに 常に指定した番号へ自動で転送する方式。
外出が多い企業や、固定電話をほとんど使わずスマホで受けたい場合に使われます。
話中転送
固定電話が 通話中で話し中状態のときだけ、別の番号へ転送する方式。
1回線・1番号で複数の着信に対応できない環境で、取りこぼしを減らすために利用されます。
無応答転送(呼び出し時間後転送)
一定の呼び出し時間(例:5秒、10秒、20秒など)内に応答しなかった場合、自動的に別番号へ転送する方式。
外出や離席が多く、「まずは固定電話で鳴らし、出られない場合だけ転送したい」ケースに最適です。
時間外転送
営業時間外など、指定した時間帯のみ別番号に転送する方式。
オフィスの受付電話を、営業後は当番者のスマホに転送するなど、時間帯ベースの電話運用に役立ちます。
キャリア転送電話サービスのデメリット
キャリアが提供する転送電話サービスは手軽に導入できる一方、運用面で注意しておくべきデメリットも存在します。導入前に把握しておくことで、後悔のない選択ができます。
1.転送すると通話料が発生する
キャリア転送では、転送元(会社の固定電話回線)側に転送通話料が発生します。
外出が多い・転送先が携帯電話の場合、着信のたびに費用が積み上がり、想定以上のコストになるケースも少なくありません。
2.電話利用者のストレス(待ち時間が長くなる)
キャリア転送は「回線で着信を一度受けてから別番号へかけ直す仕組み」になっているため、発信者側はワンコール〜数コール分の待ち時間が長くなるという弱点があります。
「なかなかつながらない」と感じられ、顧客満足度の低下につながる場合があります。
3.1つの番号にしか転送できない
キャリア転送では1つの番号にしか転送できない為、1人で対応することになります。転送先の方が電車移動中や打ち合わせ中など電話に出られない状態だと転送をしても電話を取りこぼすことになります。
また、1人に電話業務が集中するのでその方の本来業務が進まない・不公平感が出るなど弊害もあります。
4.転送先から固定番号で折返しできない
転送先のスマホで着信を受けても、折り返しはスマホの番号から発信されてしまい、会社の固定番号として発信できません。
結果として、
・会社としての一貫した番号運用ができない
・顧客が「知らない番号」からの折り返しに気づかない、出ない
といった問題が生じやすくなります。
5.設定の解除忘れ
キャリア転送は電話機やリモート操作でオン/オフを切り替えますが、解除を忘れるリスクが常につきまといます。
営業時間が終わっても転送のまま、休みにも転送され続けるなど、 意図しない運用による業務混乱が起こることがあります。
6.迷惑電話も転送される
キャリア転送は着信制御が基本的にできないため、 営業電話・迷惑電話もそのままスマホへ転送されてしまいます。
結果として、
・迷惑電話でも通話料を負担
・担当者の対応負担も増える
・重要な電話の見落とし
・スマホの業務妨害
などの影響が出るケースがあります。
4.キャリア以外の転送電話サービスについて
キャリア転送には手軽さがある一方で、通話料負担・1人にしか転送できない・折り返しが会社番号でできないなどの課題がありました。
こうした課題を解消し、より柔軟な電話運用を実現する手段として、キャリア以外の転送方式(主装置転送・クラウドPBX)を選ぶ企業が増えています。
ここでは、キャリア転送と比較しながら、オフィス環境や運用体制に合わせて検討できる2つの代替手段を解説します。
1.主装置転送(ビジネスフォン)
ビジネスフォンの「主装置」が着信を受け、外線発信で転送する方式です。
特徴
・既存のビジネスフォン環境で利用可能
・部署別・担当別など、細かな着信ルールを設定できる
・機器がオフィス内にあるため、停電時などは受電できない
・発信者番号が通知されないなど、折り返しに制限が出る場合がある
向いている企業
・すでにビジネスフォンが整備されており、転送機能だけ強化したい
・キャリア転送より細かい制御が必要な組織(部署が多い・ルールが複雑)
2.クラウドPBX(スマホを内線化して直接着信)
転送ではなく、スマホ・PCを「会社の内線電話」として扱う方式です。
着信は転送ではなく、PBXが複数の端末を同時に鳴らします。
特徴
・転送通話料がかからない(料金負担ゼロ)
・スマホ・PC・IP電話など複数端末へ同時呼び出し
・外出先でも固定番号で発信・折り返しが可能
・IVR、営業時間設定、迷惑電話フィルタなど高度な制御
・BCPにも強く、拠点間・在宅でも同じ運用ができる
向いている企業
・着信が多く、応答率の向上が重要
・外出・リモートワークが多い
・電話業務の効率化(取次ぎ削減)が必要
・BCP対策として電話機能のクラウド化を進めたい
転送電話の3方式の比較表
| 項目 | キャリア転送 | 主装置転送 (ビジネスフォン) |
クラウドPBX |
|---|---|---|---|
| 利用料金 | △ 利用料金あり(キャリアに金額は変動) | ◎ 転送利用料金なし | ◎ 転送利用料金なし |
| 転送通話料 | × 通話料は転送元が負担 | × 通話料は転送元が負担 | ◎ 転送料金なし |
| 転送先 | △ 1番号 | △ 1番号 | ◎ 電話機の内線数分、転送可能 |
| 柔軟性 | △ 無条件/話中/無応答など基本機能のみ | ○ 社内ルールに合わせて設定可能 | ◎ IVR/同時鳴動/時間外/担当別ルールなど最も柔軟 |
| 管理性 | ◎ 最も簡単(キャリアに電話ですぐ設定が可能) | △ 主装置設定が必要、専門知識が必要で工事業者へ依頼 | ○ 管理画面で一元管理、拠点問わず設定可能 |
| 折り返し番号表示 | × 転送先の番号での発信 | × 転送先の番号での発信 | ◎ 転送番号を表示させて発信 |
転送方式診断チェックシート(回答すると最適方式がわかる)
| 設問 | Yes/No | 判定ポイント |
|---|---|---|
| 1.電話の着信数は「少ない(ほとんど来ない)」ですか? | ⬜︎ | 転送料金が発生するため着信数が重要 |
| 2.電話の着信数は「かなり多い」ですか? | ⬜︎ | |
| 3.スマホで固定番号をそのまま発信させたいですか? | ⬜︎ | キャリア転送はスマホからの「固定番号発信」が不可 |
| 4.拠点やメンバーが複数いて、複数端末に同時転送したいですか? | ⬜︎ | 着信拠点・人数を複数したい場合はクラウドPBXのみ |
| 5.通話録音やIVR(自動音声)も一緒に使いたいですか? | ⬜︎ | 主装置は、その付帯サービス可否を確認すること |
| 6.リモートワーク中も同じ電話環境を使いたいですか? | ⬜︎ | クラウドPBXは場所に依存しない |
| 7.現在ビジネスフォン(主装置)を利用していますか? | ⬜︎ | 既存設備で転送設定をする |
診断回答別おすすめ転送方式
| “Yes”をつけた項目 | 推奨される方式 | 理由 |
|---|---|---|
| Q1 | キャリア転送 | 転送料金を企業側が負担するため、着信が少ないほど安価。設定も最短で可能。 |
| Q7 | 主装置転送 | 今ある主装置を活かして転送電話が利用できる。設定費用等を確認。 |
| Q2 / Q3 / Q4 / Q5 / Q6 | クラウドPBX | スマホ内線化・複数端末同時着信・IVR・録音・BCPなど最も柔軟で拡張性が高い。 |
キャリア転送や主装置転送は、シンプルに導入できる一方で、通話料負担・複数端末への同時着信ができない・固定番号で折り返し発信できないといった制約があります。
特に、着信が多い企業ほど転送料金が積み上がりやすいことは、多くの企業が抱える悩みです。
こうした背景から、「転送」ではなく“クラウドで着信をコントロールする仕組み”を選ぶ企業が増えています。
それゆクラウドPBX が転送サービスの導入時に選ばれており、次の章ではその中でも累計導入数32,000社と多くの企業に支持されているMOT/TELを例に、転送よりも効率的な電話環境をどのように実現できるかをご紹介します。
5.転送電話を検討するならクラウドPBX「MOT/TEL」
キャリア転送や主装置転送と比べて、クラウドPBX「MOT/TEL」は転送ではなく “着信をクラウドでコントロールする” 仕組みを採用しています。
そのため、従来の転送電話では実現できなかった高度な運用が可能になり、テレワーク・人手不足・電話業務の効率化に大きく貢献します。
1.転送よりも高度な着信振り分けが可能
MOT/TEL では、転送のように「固定→携帯へ丸ごと転送」ではなく、着信をクラウド側で分岐・制御できます。
具体的には
・時間帯に応じて IVR → 各部署へ自動振り分け
・コールセンターのように 同時着信 → 空いている担当者へ自動配分
・特定の着信を 担当者だけにならす
・不在時は音声ガイダンス → 留守電
など、キャリア転送をはるかに超える柔軟性を備えています。
2.スマホで固定電話番号が使える
転送電話では、転送先(スマホ)は携帯番号で発信になりますが、MOT/TEL ではスマホアプリから会社の固定番号で発着信が可能です。
・外出中でも会社番号で受電・発信
・個人携帯番号を知られない
・BYOD(私物スマホ利用)でもOK
・発着信ログはすべてクラウド管理
中小企業・少人数オフィス・リモート併用企業には上記の機能は、特に好評です。
3.通話録音・IVR・営業時間設定など充実の機能
MOT/TEL は転送サービスだけでなく「業務効率化機能」が充実しています。
| 機能 | 効果 |
|---|---|
| 通話録音(全通話/必要通話) | クレーム対応・言った言わない防止・品質向上 |
| IVR(ガイダンスで振り分け) | 担当外の電話削減・一次対応負荷の軽減 |
| 営業時間設定 | 時間外は自動ガイダンス・留守電へ |
| PC スマホでの電話対応 | 場所に縛られずに業務できる |
| 内線化(スマホも内線扱い) | 拠点間内線通話無料・取次ぎが容易 |
転送では「そのまま流すだけ」だった電話を、オフィスの業務フローに合わせて最適化できるのが大きな違いです。
4.実際の導入例
・例1:小規模オフィス(スタッフ3名)
以前:固定電話を外出中スタッフの携帯へ転送 → 個人携帯へ着信集中
導入後:全員のスマホを内線化 → 空いている人が着信
→ 電話の取りこぼしゼロ・個人携帯の負担もゼロ
・例2:問い合わせの多い店舗・クリニック
以前:転送先の携帯が鳴りっぱなし → つながらずクレーム
導入後:IVR「予約/問い合わせ」分類 → それぞれの担当に自動分配
→ 一次対応の質向上・待ち時間短縮
・例3:多拠点企業(本社+支店)
以前:各拠点で転送設定 → 管理が煩雑
導入後:各拠点の電話をクラウドで統合管理
→ 管理しやすく、BCP性も向上
5.MOT/TEL のおすすめポイント(まとめ)
転送電話サービスは手軽に導入できますが、通話料の負担や一人に転送が集中する問題など、運用面での課題が残ります。
そこで有効な選択肢が、スマホを会社の電話として使えるクラウドPBX「MOT/TEL」です。
アプリで固定番号の発着信ができ、複数端末で着信を受けられるため電話の取りこぼしを防止できます。
また、IVRや通話録音など転送では実現できない機能もオプションとして選択でき、外出時もオフィスと同じ環境で電話対応が可能。転送通話料も不要のため、コストを抑えつつ効率的な電話運用を実現できます。
――「外出中でも代表番号を取りたい」「転送コストを削減したい」「複数人で電話を受けたい」
そんな企業には、転送サービスよりもMOT/TELが最適な解決策になります。





