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AI電話対応とは?料金・費用相場と失敗する3つの落とし穴

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AI電話対応とは?料金・費用相場と失敗する3つの落とし穴

最終更新日:2026年9月11日

AI電話対応とは?費用相場と導入で失敗する3つの落とし穴

「電話が鳴るたびに手が止まる」「営業電話ばかりで本来の業務が進まない」——こうした悩みからAI電話対応の導入を検討する企業が急増しています。ただし、AIを入れさえすれば解決するわけではありません。本記事ではAI電話対応の仕組みと費用相場を整理したうえで、実際の導入現場で起きている「後付けの失敗」とその回避策を解説します。

主要7社の料金と「代表番号をそのまま使えるか」を比較した一覧は6章にあります。比較から先に見たい方はそちらへどうぞ。

コンテンツの目次
  1. AI電話対応とは?仕組みとIVRとの違い
  2. AI電話対応でできること・できないこと
  3. なぜ今、AI電話対応の導入が急増しているのか
  4. AI電話対応サービスの費用相場
  5. AI電話対応の導入で失敗する3つの落とし穴
  6. AI電話対応サービス7社比較|料金・代表番号・録音の一元管理
  7. 【業界別】AI電話対応の活用シーンと向いている構成
  8. AI導入の前に「電話環境」を整えたほうが早いケース
  9. クラウド電話「モッテル」で電話対応を自動化する
  10. AI電話対応に関するよくある質問
  11. まとめ


1.AI電話対応とは?仕組みとIVRとの違い

AI電話対応とは、AIが人に代わって電話を受け、発信者と会話しながら用件を聞き取って処理するシステムのことです。「ボイスボット」と呼ばれることもあります。

仕組みは3つの技術の組み合わせで成り立っています。まず発信者の声を「音声認識」でテキストに変換し、その内容を「自然言語処理」でAIが解釈します。そして最適な返答を「音声合成」で読み上げる、という流れです。近年は大規模言語モデル(LLM)を組み込んだサービスも増え、あらかじめ想定していなかった聞き方にもある程度対応できるようになりました。

補足すると、LLMとは大量の文章を学習して人間のような文章生成ができるAIのことです。ChatGPTに使われている技術と考えるとイメージしやすいでしょう。

AI電話対応の仕組み:音声認識・自然言語処理・音声合成の流れ

IVR(自動音声応答)との違い AI電話対応としばしば混同されるのがIVRです。IVRは「ご用件が営業に関するお問い合わせの方は1番を押してください」という音声ガイダンスに従い、発信者がプッシュボタンで進む仕組みを指します。
どちらも「人が出なくても電話が処理される」点は同じですが、操作方法と対応範囲が決定的に異なります

AI電話対応 IVR(自動音声応答)
操作方法 音声(話しかける) プッシュボタン
対応範囲 自由な質問にも対応可能 設定したシナリオ内のみ
氏名・住所の聞き取り 可能 不可
導入コスト やや高め 比較的安価
認識ミスのリスク あり(音声認識に依存) ほぼなし

AI電話対応は「予約の日付と人数を聞き取る」「担当者名を聞いて取り次ぐ」といった、選択肢で表現しきれない用件に強みがあります。一方でIVRは、選択肢が明確な用件であれば認識ミスがなく確実という利点を持ちます。どちらが優れているという話ではなく、用件の性質によって使い分けるものだと理解してください。

AI電話対応の2つのタイプ サービスは大きく「受信専用タイプ」と「発信にも対応したタイプ」に分かれます。
受信専用タイプは、かかってきた電話をAIが受け、用件をテキスト化して担当者のチャットやメールに通知する形が中心です。代表電話の一次受けや予約受付に向いています。
発信対応タイプは、支払いの督促、予約前日のリマインド、アンケート調査などをAIが自動で架電します。コールセンターや与信管理の現場で採用が進んでいる形です。

自社が「かかってくる電話をさばきたい」のか「こちらからかける業務を減らしたい」のかで、検討すべきサービスがまったく変わります。ここを曖昧にしたまま比較を始めると、機能過多で高額なサービスを選んでしまいがちです。

本記事は「AI電話対応サービスをどう選ぶか」を扱っています。AI IVR(AIを組み込んだ自動音声応答)そのものの機能・活用事例を詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。↓


2.AI電話対応でできること・できないこと

導入を検討する際に最も重要なのは、AIに任せられる範囲を正確に把握することです。過大な期待を持ったまま導入すると、「思ったほど電話が減らない」という結果になります。

  • 【AI電話対応でできること】
  • ・24時間365日、営業時間外でも一次対応を行う
  • ・用件と担当者名を聞き取り、チャットやメールで通知する
  • ・よくある質問(営業時間・場所・料金など)に自動回答する
  • ・通話内容をテキスト化して記録に残す
  • ・営業電話・迷惑電話を自動でブロックする
  • ・複数の着信を同時に処理する(待たせない)

特に効果が大きいのが営業電話の遮断です。代表電話にかかってくる電話のうち、社員が本来対応すべきものは意外に少なく、営業電話・ワンギリ・間違い電話が相当数を占めています。この層をAIやIVRで機械的に落とすだけで、体感的な負担は大きく変わります。

一方で、できないこと・苦手なことも明確に存在します。

  • 【AI電話対応が苦手なこと】
  • ・クレームなど感情的な対応(かえって火に油を注ぐ場合がある)
  • ・込み入った技術的な相談や、前提条件が多い問い合わせ
  • ・騒音下・強い方言・早口での聞き取り
  • ・社名や商品名などの固有名詞の正確な認識(辞書登録で改善可能)
  • ・「来週の日曜あたり」のような曖昧な表現の解釈

音声認識の精度は年々向上していますが、100%にはなりません。この前提を受け入れたうえで、「認識に失敗したときに人へつなぐ導線」を必ず用意しておくことが、実運用での成否を分けます。

現実的な着地点は、すべてを自動化するのではなく、定型的な一次対応だけをAIに任せ、複雑な要件は人が引き取るハイブリッド運用です。中小企業がAI電話対応で成果を出しているケースは、ほぼ例外なくこの形から始めています。


3.なぜ今、AI電話対応の導入が急増しているのか

AI電話対応が注目される背景には、企業側の事情と法制度の変化という2つの要因があります。

理由1:電話番を置く余裕がなくなった 帝国データバンクの調査によると、2026年4月時点で正社員の人手不足を感じている企業は50.6%と、半数を超えています(人手不足に対する企業の動向調査/帝国データバンク)。また、人手不足倒産は2025年度に441件発生し、3年連続で過去最多を更新しました。
この状況下で「電話を取るためだけに人を配置する」という運用は、多くの企業にとって現実的でなくなりつつあります。かつては新人や事務職が担っていた電話番という役割そのものが、成立しにくくなっているのです。

理由2:カスハラ対策が2026年10月から義務化される もう一つ、見落とされがちな要因が法改正です。改正労働施策総合推進法により、2026年10月1日からカスタマーハラスメント対策がすべての事業主に義務づけられます政府広報オンライン)。中小企業への猶予措置はありません。
厚生労働省の指針では、カスハラの抑止措置の例として録音・録画が挙げられています。録音システムの導入自体が義務化されるわけではありませんが、従業員を守る具体的な手段として、通話録音とその記録管理の重要性が一段と高まったことは間違いありません。
電話は今なお、企業が受けるハラスメントの主要な経路です。AIによる一次対応は、担当者が理不尽な電話に直接さらされる回数そのものを減らす効果があります。

理由3:市場全体が急拡大している 需要の拡大は市場データにも表れています。ITRの調査では、国内のボイスボット市場は2022年度に19億円(前年度比49.6%増)、2027年度には88億円に達すると予測されています(株式会社アイ・ティ・アール)。
対照的に、従来型のビジネスフォン機器は縮小局面にあります。CIAJ(情報通信ネットワーク産業協会)の予測では、ボタン電話装置やPBXを含むビジネス関連機器の国内需要は2030年度に3,735億円と、2024年度比で15.6%減少する見通しです(通信機器中期需要予測[2025-2030年度])。
機器メーカー側もこの流れに対応しており、NTT東西が2024年12月に提供を開始した中小企業向けビジネスフォン「SmartNetcommunity αZXⅡ」には、約3万件の迷惑電話データベースを使ったブロック機能と、通話録音の音声テキスト化機能が搭載されています。電話機そのものにAI機能が組み込まれる時代に入ったと言えます。


4.AI電話対応サービスの費用相場

AI電話対応サービスの費用は、初期費用・月額基本料・従量課金の3つで構成されるのが一般的です。

相場 内容
初期費用 0円〜26万円 番号取得・シナリオ設定
月額基本料 0円〜15万円 システム利用料・番号維持費
従量課金 利用量による AI通話料・着信料・SMS送信料

価格帯はおよそ3つの層に分かれます

月額3,000円前後の小規模・店舗向けは、AItelefonistaがスタンダードプラン月額2,980円〜(税込3,278円〜・無料着信50回まで)、ミライAIがBASICプラン月額4,980円(税別)といった水準です。用件のヒアリングと通知が中心で、シンプルな一次対応に向いています。
月額1万円前後の中小企業向けは、IVRy(アイブリー)がスターター月額3,980円〜・スタンダード月額6,480円〜・アドバンス月額10,480円〜(いずれも税抜・月払い)となっています。着信30件までなら月額0円のフリープランもあります。
月額数万円以上のコールセンター・エンタープライズ向けになると、キューアンドエーのAI電話自動応答サービスがスタンダードプラン月額50,000円〜・初期260,000円〜(税抜)、DHK CANVASが月額150,000円〜・初期200,000円〜という価格帯です。

注意したいのが従量課金の存在です。月額基本料の安さだけで比較すると、着信数が多い企業では想定を大きく超える請求が発生します。AI会話料が1分あたりいくらか、無料枠は何件までか、この2点は必ず見積時に確認してください。月間の着信件数がわからない場合は、まず1か月分の着信ログを取ることから始めるべきです。

具体的な各社の料金と、後述する3つの落とし穴への対応状況は、次章以降でまとめて比較します。


5.AI電話対応の導入で失敗する3つの落とし穴

ここからが本題です。AI電話対応そのものの機能比較は各社の資料で確認できますが、実際に導入を進めると、機能表には載っていない「既存の電話環境との接続」で必ず詰まります。ここを事前に把握しているかどうかで、導入の成否とコストが大きく変わります。

AI電話対応を既存のビジネスフォンに後付けした際に発生する3つの問題

落とし穴1:代表番号をそのまま使えないことがある AI電話対応サービスの多くは、サービス側が発行する電話番号を利用する前提で設計されています。つまり、長年使ってきた会社の代表番号にAIを直接置けないケースがあるということです。
回避策として一般的なのが、代表番号への着信をAIサービスの番号へ「転送」する方法です。ただしこの構成には後述するコストの問題があります。
名刺・Webサイト・看板・登記情報にまで記載された代表番号を変更するのは現実的ではありません。検討の初期段階で「今の番号のまま使えるか」を必ず確認してください。ここを後回しにすると、契約直前で構成をやり直すことになります。

落とし穴2:転送料金が二重に発生する 最も見落とされやすいのがこの点です。
代表番号への着信をAIサービスへ転送する構成にすると、「代表番号→AIサービス」の転送料が発生します。さらにAIが用件を聞き取ったあと担当者のスマホへつなぐ場合、「AIサービス→担当者」の通話料もかかります。1本の電話に対して通話料が二重、構成によっては三重に積み上がる形です。
月額基本料が3,000円でも、着信が月500件あれば転送料だけで基本料を上回ることは珍しくありません。「AIで人件費を削減したはずが、通信費が増えて相殺された」という事態は、この構成から生まれます。

落とし穴3:録音とテキストが分断される 3つ目は、カスハラ対策との相性に関わる問題です。
AIサービス側にはAIが対応した部分の記録が残り、既存のビジネスフォン側には人が対応した部分の録音が残ります。つまり1本の通話の記録が2箇所に分かれてしまうということです。
通常のやり取りであれば大きな支障はありません。しかし問題が起きたとき、「AIが何と案内し、そのあと担当者がどう対応したか」を時系列で復元する必要が出てきます。記録が分断されていると、この確認作業に膨大な手間がかかります。
2026年10月からのカスハラ対策義務化を踏まえると、証跡を一元的に管理できるかどうかは軽視できない要件です。導入前に「録音データはどこに、どの形式で、何か月保存されるのか」を確認しておいてください。

  • 【見積時に必ず確認したい5項目】
  • ・現在の代表番号をそのまま使えるか
  • ・転送料金は誰の負担で、1件あたりいくらか
  • ・AI対応分と有人対応分の録音は一元管理できるか
  • ・録音データの保存期間と保存場所
  • ・既存の主装置(ビジネスフォン)は残す必要があるか

6.AI電話対応サービス7社比較|料金・代表番号・録音の一元管理

前章の3つの落とし穴を踏まえて、主要サービスを比較します。2026年9月8日時点で各社の公式サイトに掲載されている情報のみを記載しました。比較サイトの二次情報は使っていません。

まず料金です。プランが複数ある場合は最も安いプランを掲載しています。

サービス 初期費用 月額(最安プラン) 従量課金
AItelefonistaAI受付型 0円 2,980円〜(税込3,278円〜) あり追加着信40円/件 ほか
IVRy(アイブリー)AI+IVR型 公式記載なし 3,980円〜フリープラン0円あり
(30着電まで)
あり番号維持費・通話料
ミライAI会話型AI 0円(BASIC) 4,980円〜 ありAI会話時間料 ほか
キューアンドエー会話型AI 260,000円〜 50,000円〜 公式記載なし
DHK CANVAS会話型AI 200,000円〜 150,000円〜 あり通話料・工事費
AI電話対応さくらさん会話型AI 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ
モッテル(MOT/TEL)プッシュ式IVR型 29,800円 5,980円+IVRオプション3,000円 あり通話料
  • 【従量課金の内訳(公式サイト記載分)】
  • AItelefonista:追加着信40円/件(税込44円)、会話シナリオ40円/件、オペレータ転送20円/30秒。着信通話料とAI文字起こしは0円
  • IVRy:基本プラン料金のほか、電話番号維持費と従量利用料金が別途
  • ミライAI:AI会話時間料、取次転送時間料。電話番号は市外局番が月額1,000円/050番号が月額500円
  • DHK CANVAS:キャリアサービスに関する工事費・通話料が別途

※AItelefonistaのみ税込を併記、その他は税抜表示です。
※2026年9月8日時点の各社公式サイト掲載情報。最新の料金は必ず各社へご確認ください。
※モッテルはプッシュ操作による振り分け方式であり、AIが自由に会話するボイスボットとは方式が異なります。

3つの落とし穴の観点で比較する 機能表では横並びに見えるサービスも、「代表番号」「転送料」「録音の一元管理」という3点で見ると差が出ます。

調べていて分かったことがあります。7社の公式サイトを確認したところ、「現在の代表番号をそのまま使えるか」を明記していたのは3社だけでした。残りの4社は、料金表には載っているのに、この点への言及がありません。導入直前で構成をやり直すことになりやすいのは、まさにこの情報の非対称性が原因です。

サービス 代表番号をそのまま使えるか
(公式サイト記載)
AI対応分+有人対応分の録音
AItelefonista 記載なし(要確認) AI受付分のみ文字起こしは全プラン無料
IVRy(アイブリー) 新規発行が前提050番号・市外局番を発行/既存番号は転送で接続 IVRy側で録音既存ビジネスフォン分は別管理
ミライAI 番号ポータビリティ対応東京03・大阪06・札幌011のみ/手数料3,000〜4,000円 ミライAI側で管理
キューアンドエー 記載なし(要確認) 記載なし(要確認)
DHK CANVAS 記載なし(要確認) 記載なし(要確認)
AI電話対応さくらさん 記載なし(要確認) 記載なし(要確認)
モッテル(MOT/TEL) MOT/0ABJで現在の番号を継続利用可能 同一基盤で一元管理全プラン録音標準

※「記載なし」は該当サービスが対応していないという意味ではなく、公式サイト上で確認できなかったという意味です。実際の可否は各社にご確認ください。

選び方の分岐 以上を踏まえると、選択の分かれ目は次のように整理できます。

着信が月50件以下で、用件の聞き取りだけできればよい——AItelefonistaやIVRyのフリー/スタータープランで足ります。まずここから試すのが最もコストが低い選択です。

予約の日時・人数まで会話で受け付けたい——ミライAIやIVRyのスタンダード以上が該当します。ただし従量課金が乗るため、月間着信件数を先に把握してください。

代表番号を絶対に変えられず、録音も一元管理したい——AIサービスの後付けでは条件を満たしにくい領域です。電話基盤ごとクラウド化する構成(次章以降で解説)を検討したほうが、結果的に総額は下がります。

コールセンター規模で大量の着信を処理したい——キューアンドエーやDHK CANVASのエンタープライズ帯が対象です。初期20万円以上を見込んでください。


7.【業界別】AI電話対応の活用シーンと向いている構成

同じ「電話対応の自動化」でも、業種によって困っている中身はまったく違います。会話型AIが必要なのか、番号による振り分け(IVR)で足りるのか——この判断は業種の特性でかなり決まります。

業種 電話の主な中身 向いている構成
クリニック・歯科 診療時間の問い合わせ
予約・変更・キャンセル
会話型AI
飲食店・美容室 予約(日時・人数)
営業時間の確認
会話型AI
士業事務所 担当者への取次
営業電話
IVRで十分
不動産・管理会社 入居者からの設備トラブル
内見問い合わせ
IVR+転送
建設・工務店 現場からの連絡
協力会社との調整
IVR+スマホ内線
一般企業の代表電話 営業電話が過半
担当者への取次
IVRで十分

会話型AIが効くのは「予約」を扱う業種 クリニック・飲食店・美容室のように日時と人数を聞き取る必要がある業種では、会話型AIの価値がはっきり出ます。「来週の火曜、14時から2名」といった内容はプッシュボタンでは表現できません。診療中・調理中・施術中で電話に出られない時間帯の予約取りこぼしを防ぐ用途として、費用対効果が最も高い領域です。

士業・一般企業の代表電話は、IVRで足りることが多い 一方、士業事務所や一般企業の代表電話でかかってくる電話の中身は「担当者への取次」と「営業電話」がほとんどです。この2つの仕分けに、AIとの自然な会話は必要ありません。「ご用件が営業に関するお問い合わせの方は1番」という振り分けだけで、実務上の負担は大きく下がります。
実際、バルテックが自社にIVRを導入した際は、1日平均の受電件数が347.8件から272.5件へと約2割削減されました(詳細は次章)。減った分の中身は営業電話・ワンギリ・間違い電話で、社員が本来対応すべき電話ではありません。

現場が動く業種はスマホ内線との組み合わせが効く 建設・工務店・不動産管理のように担当者が事務所にいない業種では、自動応答そのものより「振り分けた先にきちんとつながるか」のほうが重要になります。振り分け先にスマホ内線を指定できる構成であれば、現場にいる担当者へ直接着信させられます。会社の代表番号で発信することもできるため、個人の携帯番号を相手に知られる心配もありません。

不動産管理は夜間の緊急連絡が分かれ目 入居者からの「鍵をなくした」「水漏れした」といった緊急連絡は、時間帯で対応先を変える必要があります。営業時間内は事務所、夜間は緊急対応窓口という時間帯別の振り分けができるかを確認してください。会話型AIを入れるかどうかより、この設定の自由度のほうが実務への影響は大きくなります。


8.AI導入の前に「電話環境」を整えたほうが早いケース

3つの落とし穴を踏まえると、選択肢は「後付け型」と「基盤統合型」の2つに整理できます。

基盤統合型 後付け型
構成 電話基盤ごとクラウド化 既存設備+AIサービス
代表番号 継続利用しやすい 要確認
転送料 発生しにくい 二重発生の可能性
録音の一元管理 可能 分断されやすい
導入の手軽さ 回線の切替が必要 最短即日も可能

後付け型が向いているのは、既存設備が新しく、特定の窓口だけを自動化したい場合です。主装置を導入して間もない企業や、期間限定のキャンペーン窓口を立てたいケースでは、手軽さが勝ります。

一方で基盤統合型を検討すべきなのは、主装置の更改時期が近い企業です。ビジネスフォンの法定耐用年数は6年で、メーカーの補修用部品の保有期間もこれに準じます。導入から6〜10年が経過している場合、どのみち近いうちに設備を入れ替える必要があります。このタイミングでAIを後付けしても、数年後に構成をもう一度組み直すことになりかねません。

そしてもう一つ、見落とされている事実があります。会話するAIを入れなくても、IVRだけで受電件数は相当減らせるということです。
バルテックが自社にIVRを導入した実績では、1日平均の受電件数が347.8件から272.5件へと約2割削減されました。削減された内訳は営業電話・ワンギリ・間違い電話であり、社員が本来対応すべき電話ではありません(株式会社バルテック プレスリリース)。

つまり、電話業務の負担の相当部分は「AIとの自然な会話」を必要としていません。まず番号による振り分けで不要な電話を落とし、それでも残る負担に対して会話型AIを検討する——この順序のほうが、費用対効果は明らかに高くなります。いきなり高機能なボイスボットから入る必要はないのです。

IVR(自動音声応答)の仕組みと活用例はこちら↓


9.クラウド電話「モッテル」で電話対応を自動化する

クラウド電話「モッテル(MOT/TEL)」は、スマートフォンをビジネスフォンとして利用できるクラウドPBXです。5章で挙げた3つの落とし穴に対して、次のように対応できます。

代表番号をそのまま使える クラウド電話回線「MOT/0ABJ」を利用することで、現在お使いの電話番号を継続したままクラウド化できます。新規の番号取得にも対応していますが、名刺やWebサイトの差し替えが不要という点は、実務上のインパクトが大きい部分です。既存のビジネスフォンと連携する構成も選択できます。

IVRで一次対応を自動化する 「営業のお問い合わせは1番、サポートは2番」といった自動振り分けに対応しています。2026年6月からは、これまでプレミアム・プラチナプランに限られていたIVR・オリジナルガイダンス機能が、スタンダードプラン・ミドルプランでもオプションとして利用可能になりました。オプション価格は月額3,000円で、上位プランへ変更することなく電話対応を自動化できます。
振り分け先にはスマホ内線やPCソフトフォンも指定できるため、テレワーク中の社員にも正しく着信します。出社と在宅が混在する環境でも取りこぼしが起きません。

通話録音とAI文字起こしを一元管理する 通話録音は全プランで標準対応しています。さらにAI自動音声テキスト化オプションを利用すれば、録音内容が自動でテキスト化され、音声を聞き返す手間なく内容を確認できます。
2025年12月からはステレオ録音オプションも提供され、発信者と受信者の音声を左右のチャンネルに分離して記録できるようになりました。話者が分かれることで、AIによる音声認識の精度が向上します。
記録が一箇所にまとまるため、「言った言わない」のトラブル防止や、カスハラ発生時の事実確認にそのまま活用できます。

スタンダード ミドル
初期費用(税込) 29,800円 44,000円
月額費用(税込) 5,980円 15,000円
付属内線数 20 50
IVR・オリジナルガイダンス オプション オプション
通話録音
AI自動テキスト化 オプション オプション

※IVRオプション価格は月額3,000円
※IVR・オリジナルガイダンスはMOT/0ABJとの連携利用時にオプションとしてご利用いただけます。
※ゲートウェイを設置してご利用中の場合、別途サーバ移管作業費が発生します。
※プラン詳細・最新料金は公式サイトをご確認ください。

なお、モッテルのIVRはプッシュ操作による振り分け方式であり、AIが自由に会話するボイスボットとは異なります。ただし8章で示したとおり、受電件数の削減という観点では、会話型AIでなくても十分な効果が得られるケースが多くあります。
自社にとって「会話型AIが必要なのか、振り分けと記録の自動化で足りるのか」——この見極めがコストを大きく左右します。判断に迷う場合は、現在の着信内容の内訳をお伝えいただければ、適切な構成をご提案します。
電話対応の自動化ならクラウド電話「モッテル」/構成のご相談・お見積りはこちら  


10.AI電話対応に関するよくある質問

Q1. AI電話対応を導入すると、電話番の担当者は不要になりますか? 完全に不要にはなりません。定型的な一次対応や営業電話の遮断は自動化できますが、クレーム対応や込み入った相談は人が引き取る必要があります。「担当者をゼロにする」ではなく「担当者が対応すべき電話だけを届ける」という設計が現実的です。実際、IVRによる振り分けだけでも受電件数が約2割減少した事例があり、負担の軽減効果は十分に見込めます。

Q2. 現在の会社の電話番号を変えずに導入できますか? サービスによって異なります。AIサービス側が発行する番号を使う前提の製品では、代表番号からの転送設定が必要になり、転送料が発生します。ミライAIのように番号ポータビリティに対応しているサービスもありますが、対象地域が東京03・大阪06・札幌011に限られます。一方、クラウド電話回線「MOT/0ABJ」のように現在お使いの番号を地域を問わず継続できるサービスもあります。検討の初期段階で必ず確認してください。

Q3. 音声認識を間違えた場合はどうなりますか? サービスによって挙動が異なり、聞き返しを繰り返すもの、オペレーターへ転送するものなどがあります。認識に失敗したときの導線が用意されているかは選定時の重要なポイントです。また、通話内容がテキストで通知される機能があれば、担当者が誤認識に気づいてフォローできます。社名や商品名などの固有名詞は、辞書登録機能で精度を改善できる場合があります。

Q4. カスハラ対策として通話を録音する場合、相手への告知は必要ですか? 個人情報保護法は、個人情報の取得にあたって利用目的の通知または公表を義務づけています。実務上は「この通話は品質向上のため録音されます」といったガイダンスを流す運用が基本です。IVRのオリジナルガイダンス機能を使えば、着信時に自動で告知を流せます。具体的な運用については、自社の法務担当者や顧問弁護士にご確認ください。

Q5. 小規模な店舗やクリニックでも導入できますか? 可能です。AItelefonistaのスタンダードプランが月額2,980円〜(税込3,278円〜)、IVRyは着信30件まで月額0円のフリープランがあり、いずれも初期費用はかかりません。診療中や調理中で電話に出られない時間帯の予約取りこぼしを防ぐ用途で、飲食店やクリニックでの導入が進んでいます。

Q6. 導入までにどれくらいの期間がかかりますか? クラウド型のAI電話対応サービスであれば、最短で即日〜数日という製品もあります。ただし電話基盤ごと切り替える場合は、回線の移行手続きが必要になるため数週間から1か月程度を見込んでください。主装置の更改と合わせて計画する場合は、保守期限から逆算してスケジュールを組むことをおすすめします。

Q7. 既存のビジネスフォンを残したままでも使えますか? 構成によっては可能です。クラウド電話回線「MOT/0ABJ」は、お使いの既存ビジネスフォンと連携する構成にも対応しています。ただし主装置の保守期限が近い場合は、残すコストと入れ替えるコストを比較したうえで判断するほうが結果的に安く収まるケースが多くあります。

Q8. 既存のPBXを変えずに、代表電話をAIに自動応答させたい。どんなサービスがありますか? 既存のPBX(主装置)を残したまま自動応答を追加する場合、代表番号への着信をAIサービスの番号へ転送する構成が基本になります。IVRyやAItelefonistaのように初期費用0円で始められるサービスであれば、既存設備を触らずに導入できます。
ただしこの構成では、「代表番号→AIサービス」の転送料と「AIサービス→担当者」の通話料が二重に発生します。着信件数が多い場合は、月額基本料より通信費のほうが大きくなることがあるため、月間の着信件数を先に把握したうえで試算してください

Q9. 既存のPBXと連携しやすい音声AIプラットフォームはどれですか? 「連携しやすさ」は2つに分けて考える必要があります。①既存PBXを残したまま転送で繋ぐ場合は、転送先として電話番号を発行できるサービスであればほぼ連携可能です。IVRy・AItelefonista・ミライAIなどが該当します。
②既存PBXと同一基盤で統合したい場合は、選択肢がかなり狭まります。SIP連携やゲートウェイ設置に対応しているかを個別に確認する必要があり、多くのAI電話対応サービスはここに対応していません。クラウドPBX側からアプローチするほうが現実的で、モッテルのMOT/0ABJは既存ビジネスフォンと連携する構成に対応しています。
なお、①の転送方式は導入が早い代わりに録音が2箇所に分断される点に注意してください。

Q10. PBXを更新するタイミングでAI電話を導入したい。どんな選択肢がありますか? 主装置の更改時期であれば、後付けではなく電話基盤ごと見直すことをおすすめします。ビジネスフォンの法定耐用年数は6年で、補修用部品の保有期間もこれに準じます。この時期にAIサービスだけを後付けすると、数年以内に構成をもう一度組み直すことになります。
具体的な選択肢は3つです。①クラウドPBXへ全面移行(代表番号を継続でき、録音も一元管理できる)、②新しい主装置+AIサービスの後付け(既存の運用を変えたくない場合)、③クラウドPBX+会話型AIの併用(予約受付など会話が必須の業務がある場合)。
判断の分かれ目は「会話型AIが本当に必要か」です。取次と営業電話の仕分けが主目的なら、IVRだけで受電件数が約2割減った実例があります。

Q11. 中小企業向けに特におすすめのボイスボットツールを教えてください。 着信件数と用件の性質で変わります。着信が月50件程度で用件の聞き取りが中心ならAItelefonista(月額2,980円〜)、着信が月30件以下で試験導入したいならIVRyのフリープラン(月額0円)が最も低コストです。予約の日時・人数まで会話で受け付けたい場合はミライAI(月額4,980円〜)やIVRyのスタンダード以上が候補になります。
一方で、代表番号を変えられない・録音を一元管理したいという条件が加わると、ボイスボット単体では条件を満たしにくくなります。この場合はクラウドPBXの導入を先に検討したほうが、総額は安く構成もシンプルになります。詳しくは6章の比較表をご覧ください。


11.まとめ

AI電話対応は、人手不足とカスハラ対策の義務化という2つの圧力を背景に、導入が急速に進んでいる分野です。24時間365日の一次対応、営業電話の遮断、通話内容の自動記録といった効果は、実務上の負担を確実に軽減します。

ただし本記事で見てきたとおり、機能比較だけで選ぶと「代表番号」「転送料の二重発生」「録音の分断」という3つの落とし穴にはまります。7社の公式サイトを確認した結果、代表番号の扱いを明記していたのは3社だけでした。特に主装置の更改時期が近い企業は、AIを後付けするより電話基盤ごと見直したほうが、総額は安く、構成もシンプルになります。

また、いきなり会話型AIを導入する必要はありません。予約を扱う業種では会話型AIの価値がはっきり出る一方、士業事務所や一般企業の代表電話では、IVRによる振り分けだけで受電件数が約2割減った実例があります。まず不要な電話を落とし、残った負担に応じて自動化の度合いを上げていく——この順序が失敗の少ない進め方です。

クラウド電話「モッテル」なら、現在の電話番号を継続したまま、IVRによる自動振り分け・通話録音・AI文字起こしまでを一つの基盤で運用できます。スタンダードプランは月額5,980円(税込)から、IVRはオプション月額3,000円で追加可能です。
自社の電話対応をどこまで自動化できるか、まずはお気軽にご相談ください。
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