つながらない権利とは?2026年法改正の最新動向と企業が今すぐ取るべき対策【完全ガイド】

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つながらない権利とは?2026年法改正の最新動向と企業が今すぐ取るべき対策【完全ガイド】

最終更新日:2026年3月3日



つながらない権利とは?2026年法改正と企業が今すぐ取るべき対策を徹底解説

「つながらない権利」とは、労働者が勤務時間外や休日に、業務上のメール・電話・チャットなどの連絡への対応を拒否できる権利のことです。

2017年にフランスで法制化されたのを皮切りに世界各国で法整備が進み、日本でも2026年の労働基準法改正の議論において、ガイドライン策定が検討されています。さらに、労働政策審議会・労働条件分科会では法制化も念頭に置いた検討を求める意見も出ており、議論は加速しています。

連合の調査では、勤務時間外に業務連絡がくると回答した雇用者は72.4%にのぼり、そのうち62.2%がストレスを感じているという結果が出ています(出典:連合「つながらない権利に関する調査2023」)。

本記事では、以下のような疑問を持つ企業の経営者・人事担当者の方に向けて、わかりやすく解説します。

  • ・つながらない権利とは?なぜ今注目されているのか?
  • ・2026年の労基法改正で企業は何を求められるのか?
  • ・メールやチャットは止められても、電話はどう対策するのか?

特に対策が難しい「電話対応の制御」については、勤怠管理システムと連動して着信を自動ブロックする具体的なソリューションまでご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

つながらない権利の対策についてのお問い合わせ
コンテンツの目次
  1. 「つながらない権利」とは?基本をわかりやすく解説
  2. なぜ今注目?背景にある3つの社会変化
  3. 【データで見る】日本の勤務時間外連絡の実態
  4. 世界の法制化動向:フランスからオーストラリアまで
  5. 2026年労基法改正と「つながらない権利」ガイドラインの行方
  6. 企業が直面する4大リスク
  7. 今すぐできる!企業の具体的な対策5ステップ
  8. 電話対応が最大の課題:勤怠管理×クラウドPBXで解決する方法
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ:法改正を「待つ」のではなく「先取り」する


1.「つながらない権利」とは?基本をわかりやすく解説

つながらない権利(Right to Disconnect)とは、労働者が勤務時間外や休日に、業務上のメール・電話・チャットなどの連絡への対応を拒否できる権利のことです。

ポイントは、企業に対して勤務時間外の連絡そのものを「全面禁止」するものではなく、あくまで受け手側である従業員が対応を拒否しても、人事評価やキャリア形成で不利益を受けないことを保障する考え方であるという点です。

?? つながらない権利の3つの核心

対象となる連絡:メール、電話、チャット、SNSなど業務に関わるすべてのデジタルコミュニケーション

対象となる時間:退勤後、早朝深夜、休日、有給休暇中、長期休暇中

保障される内容:連絡への不応答を理由とした不利益取扱いの禁止

この概念が世界で初めて法制度として認められたのは2000年代のフランスです。フランスの最高裁判所(破毀院)は2004年に、勤務時間外にかかってきた携帯電話に応答しないことは労働者の義務違反ではないとの判断を示しました。その後、2017年に正式に法制化され、世界的な議論の起点となりました。

なお、日本でも最高裁は仮眠時間の労働時間性が争われた「大星ビル管理事件」(最判平14.2.28)において、休憩時間とは単に業務から離れるだけでなく労働からの解放が保障されることを意味するとの判断を示しています。「つながらない権利」の考え方は、こうした判例の延長線上にあるとも言えます。


2.なぜ今注目?背景にある3つの社会変化

① スマートフォンの普及による「常時接続」状態

スマートフォンやクラウドツールの普及により、場所や時間を問わず業務の連絡が可能になりました。便利さの一方で、「いつでも連絡が取れる状態」が常態化し、労働者にとっては仕事とプライベートの境界が曖昧になる大きな原因となっています。

② テレワーク・リモートワークの定着

コロナ禍をきっかけにテレワークが急速に普及しました。自宅が職場になることで、始業・終業の線引きが物理的にも心理的にも難しくなり、「隠れ残業」が発生しやすい構造が生まれています。常時カメラONを求めるなどのリモートハラスメント(リモハラ)も社会問題化しています。

③ 若年層の価値観の変化と人材確保競争

チャットやメールに慣れたZ世代を中心に、突然の電話や即時対応を求められる環境を強いストレスに感じる傾向が強まっています。「つながらない権利」を保障できない企業は、若手人材の採用・定着で不利になるリスクが高まっています。


3.【データで見る】日本の勤務時間外連絡の実態

日本では「つながらない権利」はまだ法制化されていませんが、勤務時間外の業務連絡は既に深刻な問題となっています。各種調査データを見てみましょう。

72.4%

勤務時間外に業務連絡が
くることがあると回答

連合「つながらない権利に関する調査」2023年

62.2%

時間外連絡にストレスを
感じると回答

連合 同調査

41.8%

ガイドライン策定が
未着手の企業

マイナビ「企業の実態調査」2025年12月

また、マイナビが2025年12月に実施した調査では、企業の中途採用担当者のうち68.4%が「勤務時間外の連絡が発生したことがある」と回答しています。高頻度で発生している企業も33.6%にのぼりました。

一方で、厚生労働省の「令和6年就労条件総合調査」では、勤務時間外の連絡に関して「特段ルール等は整備しておらず、現場に任せている」企業が36.8%で最多という結果も出ています。つまり、問題は広く認識されているにもかかわらず、対策が追いついていない企業が多いのが現状です。


4.世界の法制化動向:フランスからオーストラリアまで

つながらない権利の法制化は、欧州を起点に世界各国で進んでいます。主な国の動向を時系列で整理します。

国名 施行年 概要
フランス 2017年 従業員50人以上の企業に、つながらない権利に関する労使協議の義務化(労働法典 Article L. 2242-17-7°)
イタリア 2017年 リモートワーク法の中でつながらない権利に言及、雇用契約への明記を義務化
スペイン 2018年 データ保護法にてデジタル・ディスコネクト権を明記
ポルトガル 2021年 企業が就業時間外に従業員へ連絡することを原則禁止、違反企業には売上高に応じた罰金
ベルギー 2022年 公務員を対象にした勤務時間外連絡制限を施行
オーストラリア 2024年 勤務時間外の連絡に応答しない権利を法定化、違反雇用主に罰金
EU全体 2021年決議 欧州議会がつながらない権利をEU指令として制定するよう勧告


共通しているのは、単に「連絡禁止」とするのではなく、労使の話し合いによるルール策定を促すアプローチが主流であるという点です。一律の禁止ではなく、業種や職種に応じた柔軟な対応が求められています。

出典:各国法令およびJILPT 労働政策フォーラム「ICTの発展と労働時間政策の課題」(2024年9月)


5.2026年労基法改正と「つながらない権利」ガイドラインの行方

日本でも大きな動きが始まっています。現在、約40年ぶりとなる労働基準法の大幅改正に向けた議論が進行中です。

?? 2026年改正の検討ポイント(つながらない権利関連)

  • ・ 勤務時間外の業務連絡に関するガイドライン策定が検討されている
  • ・ 一律禁止ではなく、各企業の実情に応じた労使協議による社内ルール策定を促す方向
  • ・ 労働条件分科会では法制化も念頭に置いた検討を求める意見が出ている
  • ・ 2026年通常国会で改正案提出、主要項目は2027年以降に施行される見込み

2025年1月、厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」が報告書を公表しました。この報告書では、つながらない権利について「労使で社内ルールを検討していくことが必要」とし、ガイドライン策定等の積極的な方策を検討すべきと提言しています。

その後、労働政策審議会・労働条件分科会(第193回?第204回)で具体的な審議が進められています。特に注目すべきは、2025年3月の第196回分科会で、労働者側委員(情報産業労働組合連合会・水野委員)が以下の趣旨の発言をしたことです。

?? 労働条件分科会での注目発言(2025年3月?)

・「社内のルールを決めるだけでは十分な環境整備は難しく、法制化も念頭に置いた検討も必要」(労働者側委員)

・「事業所ごとの労使協定などの明文化も含めて、つながらない権利の確保に資するルール化を促す取組を進めてほしい」(労働者側委員)

・一方で使用者側委員からは慎重な意見も出ており、労使間で議論が続いている段階

出典:第204回労働政策審議会労働条件分科会 議事録労働時間法制の具体的課題について(厚生労働省資料)

つまり、当初の「ガイドライン策定」にとどまらず、法的な枠組みでの対応も視野に入り始めているのが2025年後半からの大きな変化です。

とはいえ、ガイドラインが策定されれば、実質的に企業は対応方針の整備を迫られることになります。法改正を待ってからではなく、今から準備を始めることが重要です。

なお、厚生労働省は「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(2021年改定)において、既に「時間外のメール等に対応しなかったことを理由とする不利益な人事評価は不適切」との見解を示しています。


6.企業が直面する4大リスク

つながらない権利への対応を怠ると、企業は以下の深刻なリスクに直面する可能性があります。

リスク①:未払い残業代の請求

勤務時間外のメール・電話対応は、その頻度や強制力次第で「会社の指揮命令下にあった」と判断され、労働時間としてカウントされる可能性があります。法改正の議論が進むほど、「返信は任意だった」という企業側の主張は通りにくくなるでしょう。

リスク②:パワーハラスメント認定

深夜や早朝、休日への頻繁な業務連絡は、たとえ送り手に悪意がなくても受け手にはハラスメントと感じられるケースがあります。パワハラ防止法の観点からも、時間外連絡のルール整備は急務です。

リスク③:メンタルヘルス不調・労災リスク

常に業務連絡に縛られる環境は、従業員の心身の回復を妨げます。燃え尽き症候群やメンタルヘルス不調が発生した場合、労災として認定される可能性もあります。

リスク④:人材流出・採用力の低下

特に若年層は「ワークライフバランス」を重視する傾向が強まっています。時間外連絡が常態化している企業は、優秀な人材から敬遠される原因になりかねません。


7.今すぐできる!企業の具体的な対策5ステップ

つながらない権利への対応は、一度に完璧を目指す必要はありません。以下の5つのステップで段階的に取り組みましょう。

1

現状の実態把握

まず自社で勤務時間外の連絡がどの程度発生しているか、どの部署・役職で多いか、従業員がどう感じているかをアンケートやヒアリングで把握しましょう。

2

社内ガイドラインの策定

「原則として◯時以降の業務連絡は禁止」「緊急時の定義と連絡手段を明確化」「翌営業日対応を基本ルールとする」など、自社の業種・職種に合った具体的なルールを策定します。

3

管理職への教育・研修

ルールの形骸化を防ぐには、管理職の意識改革が不可欠です。「つながらない権利」の意義やリスクについて研修を実施し、率先してルールを守る文化を作ります。

4

ITツールによるシステム的な制御

メールの予約送信機能、チャット通知のOFF時間設定、そして勤怠管理と連動した電話の着信自動制御など、人の意識だけに頼らないシステム的な仕組みを導入します。

5

緊急連絡体制の整備

すべての連絡を一律に禁止するのは現実的ではありません。「本当に緊急な場合」の定義と連絡手段(当番制・エスカレーションフロー)を明確にしておくことで、業務への支障を最小限に抑えます。

? よくある失敗パターン

「ルールは作ったが管理職が守らない」「メールは止めたが電話は対象外になっている」「制度があるのに現場に浸透していない」――形だけの対応は、かえって従業員の不信感を高めます。特に電話の制御はメールやチャットと異なり、出なければならないという心理的圧力が強いため、システム的な対策が不可欠です。


8.電話対応が最大の課題:勤怠管理×クラウドPBXで解決する方法

メールは予約送信で対策でき、チャットは通知OFFで制御できます。しかし、電話だけは「鳴ったら出なければならない」という心理的圧力が極めて強い連絡手段です。つながらない権利の観点で、最も対策が難しいのが電話対応の問題です。

この課題を根本から解決するのが、勤怠管理システムとクラウドPBXの連携による着信自動制御です。

MOT勤怠管理(勤怠管理システム) × MOT/TEL(クラウドPBX)の連携でできること

クラウドPBX「MOT/TEL(モッテル)」は、自社の勤怠管理システム「MOT勤怠管理」と連携し、打刻ステータス(有給・退勤・休日・未出勤)に合わせて着信を自動でブロックできます。

勤怠ステータス 着信制御 発信者への表示
退勤打刻済み 内線・外線・非通知を自動ブロック 「退勤済み」と表示
有給休暇(承認済み) 終日自動ブロック 「有休」と表示
休日 終日自動ブロック 「休日」と表示
未出社(始業前) 出勤打刻まで自動ブロック 「未出社」と表示


従来の手動設定との違い

これまでは、各従業員が自分のスマートフォンや端末で着信拒否を手動設定する必要がありました。MOT勤怠管理との連携なら、打刻や休暇申請をするだけで自動的にオン・オフが切り替わるため、設定忘れや手間が一切不要です。

発信者にもメリットがある仕組み

着信拒否中の従業員に電話をかけた場合、発信者のスマートフォン画面に「有給休暇中」「退勤済み」などの勤務状況がリアルタイムで表示されます。電話に出られない理由がすぐにわかるため、無駄な発信を防ぎ、最適なタイミングでの再連絡を促すことができます。

企業にとっての導入メリット

「つながらない権利」をシステムで保障することにより、過重労働リスクの低減、コンプライアンスの強化、従業員の満足度向上を同時に実現できます。「休みの日に電話を鳴らさない」という仕組みを構築することは、法改正への先行対応としても有効です。

勤怠管理連携による自動着信拒否の詳細は下記のページをご覧ください。


「つながらない権利」をシステムで実現しませんか?

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9.よくある質問(FAQ)

つながらない権利を導入すると、緊急時の連絡はどうなりますか?

つながらない権利は、すべての連絡を一律に禁止するものではありません。災害やシステム障害など真に緊急な事態については、あらかじめ「緊急の定義」と「連絡手段・エスカレーションフロー」を明確にしておくことで対応できます。当番制やシフト制を組み合わせるのも有効です。


中小企業でもつながらない権利の対策は必要ですか?

はい。法改正のガイドラインは企業規模を問わず適用される可能性があります。また、中小企業こそ人材の確保が重要な経営課題であり、従業員の満足度向上や離職防止の観点から、先行して取り組むことは競争力の向上につながります。


管理職は「つながらない権利」の対象外ですか?

海外の事例では、管理職も例外にせず全従業員を対象としている国が多くあります。日本でも同様の方向になる可能性が高いと見られています。管理職だからといって常に対応できる状態であることを求めるのは、適切とは言えません。


メールやチャットは止められても、電話だけは制御できないのでは?

従来はそのとおりでしたが、現在はクラウドPBXと勤怠管理システムの連携により、退勤・有給・休日に合わせて電話の着信を自動制御できるソリューションがあります。MOT/TELの勤怠管理連携機能が代表的な例です。


つながらない権利のガイドラインはいつから適用されますか?

2026年の通常国会で改正法案が提出される見込みで、主要項目の施行は2027年以降と予想されています。ただし、ガイドライン策定にとどまらず法制化を求める意見も出ているため、企業は今から準備を進めておくことが重要です。詳しくは厚生労働省「労働基準関係法制研究会」報告書をご覧ください。


つながらない権利の対策にはどのくらいのコストがかかりますか?

社内ガイドラインの策定や管理職研修は大きなコストをかけずに始められます。ITツールによるシステム的な対策についても、クラウド型のサービスを利用すれば月額費用で導入可能です。まずは無料相談や資料請求で自社に合った方法を確認するのがおすすめです。


10.まとめ:法改正を「待つ」のではなく「先取り」する

つながらない権利は、もはや海外だけのトレンドではありません。2026年の労基法改正でガイドライン策定が検討されている今、日本の企業にとっても現実的かつ喫緊のテーマです。

特に対策が遅れがちなのが電話対応の制御です。メールは予約送信、チャットは通知OFF設定で対応できますが、電話は「鳴ったら出なければ」という心理的圧力が強く、個人の努力だけでは解決が困難です。

だからこそ、勤怠管理システムと連動して着信を自動制御するクラウドPBXのようなシステム的なアプローチが有効です。「休みの日に電話を鳴らさない」という仕組みを構築することが、従業員の健康を守り、法改正への先行対応を実現し、企業としての競争力を高める一手となります。

法改正を待つのではなく、今からできることを始めてみませんか。

まずは無料で情報収集から

MOT/TEL(モッテル)の勤怠管理連携による着信自動制御について、詳しい資料をご用意しています。お気軽にお問い合わせください。

?? 参考文献・出典

・連合「"つながらない権利"に関する調査2023」(2023年9月)[PDF]

・厚生労働省「労働基準関係法制研究会 報告書」(2025年1月)[リンク]

・厚生労働省「労働時間法制の具体的課題について(法定休日・連続勤務規制、勤務間インターバル、つながらない権利)」(2025年10月)[PDF]

・第204回 労働政策審議会 労働条件分科会 議事録(2025年10月27日)[リンク]

・厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(2021年改定)[リンク]

・厚生労働省「令和6年就労条件総合調査」[リンク]

・JILPT 労働政策フォーラム「ICTの発展と労働時間政策の課題」(2024年9月)[リンク]

・マイナビ「つながらない権利に関する企業の実態調査」(2025年12月)

※本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づいています。法改正の審議状況は変動する可能性があるため、最新情報は厚生労働省 労働条件分科会のページでご確認ください。


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