NTT ビジネスフォン、老朽化にどう対応する?交換・見直しのタイミング
最終更新日:2025年6月30日

オフィスの電話設備、「問題なく使えているから大丈夫」と思っていても、実はビジネスフォンの老朽化は静かに進行し、突発的な故障や通話品質の低下、顧客対応トラブルを引き起こす原因になります。
特にNTTビジネスフォンは、長年日本のビジネス現場で使われてきた分、導入から10年以上経過した機種も多く見られます。
この記事では、NTTビジネスフォンの耐用年数、代表的な劣化兆候、業務への影響、そして最新機種への入れ替えによるメリットまでを、わかりやすく解説します。現状維持による“見えないコスト”を避け、最適な電話環境へと移行するための判断材料にしてみて下さい。
- コンテンツの目次
NTT製ビジネスフォンとは?
NTTのビジネスフォンとは、NTTグループが提供するオフィス向けの電話システムのことです。ビジネスフォン業界NO,1シェアを誇ります。全国のビジネスフォン販売業者が販売しているのとともに電話工事会社も取り扱いが日本一多いメーカーです。
NTTは機器を製造しているわけではありませんが、販売代理店網や商品サポートが充実しています。
NTTのビジネスフォンは、オフィスや店舗などの複数人での電話利用を想定しています。通常の家庭用電話とは異なり、複数の電話機を一つの電話回線で共有・制御できるのが大きな特徴です。
ビジネスフォンの基本的な仕組み
ビジネスフォンの中核となるのが「主装置(PBX/交換機)」です。これは、外線(外部との通話)と内線(社内通話)をつなぐ役割を果たします。主装置によって、次のような運用が可能になります。
・社内の各電話機同士で無料の内線通話
・着信を他の部署へ転送
・一つの番号で複数人が対応可能
・外線の共有管理(発着信履歴や保留)
NTTビジネスフォンの歴史
NTTのビジネスフォンは、昭和後期から日本のオフィス通信を支えてきた実績あるシステムです。1990年代の「αシリーズ」登場以降、デジタル化やISDN対応、内線通話・転送機能の進化を経て、業務の効率化を牽引してきました。
近年は「αNX」「αZX」などのモデルで、IP電話やスマホ連携にも対応し、クラウド時代に合った通信環境を提供しています。
NTTはビジネスフォンを製造してない?
一般的に「NTTのビジネスフォン」と呼ばれる機器の多くは、実際には**NTTグループの関連企業(主にNTT東日本・NTT西日本のパートナー企業)が取り扱っているものであり、NTT自体が製造しているわけではありません。
ビジネスフォン本体の製造は、岩崎通信機(IWATSU)や日立、ナカヨ電子、NECなどの専門メーカーが担当しており、NTTはそれらの機器を販売・提供している立場にあります。
つまり、「NTT製」と見られがちなビジネスフォンも、実際は製造元が別に存在し、NTTは流通・保守・サービス提供を担っているという構図です。
NTTビジネスフォンのラインナップ
αZXⅡ type S
中小規模オフィス向けビジネスフォン。最大10台接続・8ch対応で、スマホ連携、AI文字起こし、迷惑電話ブロック、録音機能、クラウド保存などを搭載。テレワークにも最適です。
αZXⅡ type M
中規模オフィス向けで、最大40台接続・12ch対応。スマホ連携、録音・AI文字起こし、クラウド保存、迷惑電話対策、BCP機能を搭載し、テレワークや業務効率化に最適です。
αZXⅡ type L
最大570台接続・192ch対応の大規模向けビジネスフォン。スマホ連携、録音、BCP対策も充実。拡張性と信頼性が特長です。

https://business.ntt-west.co.jp/service/bizphone/zx_sm/lineup.html
αN1 type S/M/L
小規模から大規模オフィス向けにS/M/L 3タイプ展開。大型ディスプレイと7色LED搭載で操作性が高く、DECT方式コードレスや防水機器も対応。Type L は外線最大192ch・電話機最大576台。通話録音・音声メール・ホテル/医療連携など多彩な機能を持ち、信頼性と拡張性に優れています。

https://business.ntt-west.co.jp/service/product/business_relation/n1m.html
αZX type S/M/L
中~大規模オフィス向けに設計された次世代ビジネスフォンです。スマートフォンとの連携により、社外でも会社番号で発着信・内線転送が可能。通話録音(最大8ch・100時間)、迷惑電話フィルタ、BCP対策など多彩な機能を搭載し、効率と安心を両立します。最大電話機台数はType Sで10台、Type Mで40台まで。

https://business.ntt-west.co.jp/service/bizphone/zx_light_sm/
αNXⅡ type S/M/L
中小〜大規模向けネットワーク対応ビジネスフォンシリーズで、type S/M/Lを展開しています。type Sは内線最大10台・外線4ch対応で操作性や視認性に優れ、スマホ連携やecoモード(省エネ)機能も搭載。コードレスやIP電話も選択可能です。BCP対応UPSやモバイル内線アダプター「WEBアドレス帳BOX」など充実のオプションも魅力です

https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20130521_01.html
αA1
中〜大規模オフィス向けの次世代ビジネスフォン。IP内線延長やスマホ内線化が可能で、多拠点間をLAN一本で接続できる省スペース設計。2ch同時録音対応の簡易音声メール(最大8時間)、音声メールゲートウェイで100時間録音+スマホ通知・クラウド保存なども可能。7色LED着信ランプや着信拒否機能も搭載し、操作性と業務効率を高めます。

https://business.ntt-east.co.jp/service/a1/
NTT ビジネスフォンの導入メリット
NTT ビジネスフォンは、単なる電話機にとどまらず、業務の生産性と信頼性を高める重要なツールです。ここでは、導入によって得られる3つの主要なメリットをご紹介します。
業務効率の向上
NTTのビジネスフォンは、内線通話・転送・保留といった機能をワンタッチで操作でき、電話対応をよりスムーズにします。部署間のやりとりや、複数人での顧客対応も効率よく行えるため、従業員同士の連携や業務フローの円滑化に貢献します。
また、通話録音や履歴機能を活用することで、応対の質を確認・改善できる点も、業務の“見える化”に役立ちます。
コストの最適化
一見高価に見えるビジネスフォンですが、長期的に見ると通信費・人件費の削減に繋がるのが大きな魅力です。たとえば、内線通話は無料のため、社内の通話コストを大きく抑えることが可能です。
また、必要な台数や機能を柔軟に選べる設計になっているため、規模に応じた無駄のない導入ができます。中古機器の活用やリース契約など、初期費用を抑える選択肢も豊富です。
信頼性とサポート体制
NTTは全国にサポートネットワークを持ち、万が一のトラブルにも迅速に対応できる体制が整っています。導入後も、保守・点検・機能のアップデートなど安心のアフターサービスを受けられるのが大きな強みです。
また、国内大手としての実績に裏打ちされた機器の信頼性・安定性も、多くの企業に選ばれている理由の一つです。
今、ビジネスフォンが「老朽化」している?
多くの企業では、導入してから10年以上経過したビジネスフォンをそのまま使い続けているケースが少なくありません。しかし、電話機器もパソコンやコピー機と同様に「老朽化」が進み、トラブルの原因となることがあります。
利用中の電話機、いつ導入されたもの?
まずは、現在使用しているビジネスフォンがいつ導入されたのかを確認しましょう。導入時期が不明な場合でも、型番や製造年からある程度の推測が可能です。
「調子は悪くないから大丈夫」と思っていても、内部の基盤やパーツは確実に劣化しており、いつ故障してもおかしくない状態かもしれません。
NTTのビジネスフォンまとめ年表
年代 | 機種 | 主な進化点 |
---|---|---|
1990S | αRX | デジタル化、ISDN対応 |
2000–04 | αRXⅡ → αGX | 主装置の多様化、ひかり電話対応 |
2008–13 | αNX → αNXⅡ | IP電話、本格クラウド対応 |
2015 | αA1 | LAN配線完全移行、録音機能強化 |
2018 | αN1 | 融合、高度録音機能 |
2020〜 | αZX → αZXⅡ | テレワーク・災害対策向上、新世代モデル |
老朽化の見逃せないサイン
以下のような兆候が見られたら、老朽化を疑うべきタイミングです。
・通話中にノイズや音声の乱れがある
・液晶画面が薄くなる、または表示が消える
・ボタンが反応しにくくなる
・留守電や録音機能が突然動作しない
・修理を依頼したら「部品がない」と言われた
これらのトラブルは突然業務に支障をきたす恐れがあり、顧客対応の遅れや信用失墜にも繋がりかねません。
NTT ビジネスフォンの寿命とは?
NTT ビジネスフォンの一般的な耐用年数は、約7~10年とされています。これは、機器の品質や使用頻度にもよりますが、メーカー側が部品の供給や保守サポートを行う目安の期間でもあります。
保守・修理サービス終了の影響
古い機種ではすでに保守サービスが終了していることが多く、故障した際には修理できずにそのまま使えなくなるリスクがあります。特に、主装置や専用配線などの故障は、全回線の停止につながる恐れもあり、業務に大きな打撃を与える可能性があります。
老朽化がもたらす“見えないコスト”
ビジネスフォンの老朽化は、ただの機器トラブルだけでなく、日常業務のパフォーマンス低下や信頼性の損失といった「目に見えにくいコスト」を生み出します。ここでは、見落とされがちな“間接的な負担”について解説します。
非効率な電話運用
老朽化したビジネスフォンでは、操作反応の遅さや誤作動によって本来数秒で済む作業に時間がかかることがあります。
たとえば
・転送ボタンの反応が悪く何度も押す必要がある
・留守電メッセージがうまく録音されていない
・通話音声が不明瞭で何度も聞き直す
このような積み重ねが、全体の生産性をじわじわと低下させているのです。また、操作ミスによる顧客対応ミスなども、ビジネスに悪影響を与えるリスクがあります。
社内外のコミュニケーションロス
「つながらない」「音が悪い」「転送ができない」などの小さな不具合が、お客様や取引先との信頼関係に悪影響を及ぼすことがあります。特に、電話が第一接点となる業種では、第一印象=企業の印象につながります。
また、社内でも「内線がつながりにくい」「会話が聞き取りづらい」といったストレスが溜まりやすく、チームワークや業務連携の質が下がる原因になります。
最新ビジネスフォンに入れ替えるメリット
ビジネスフォンは、ただ“電話が使えればいい”という時代から、“業務効率を支えるITツール”へと進化しています。特に近年の機種には、クラウドやIP電話との連携機能など、業務の柔軟性と効率性を高める要素が満載です。
IP電話やクラウド連携などの新機能
最新のNTT ビジネスフォンでは、インターネット回線を使ったIP電話に対応しており、通話料金の削減が可能です。また、クラウド連携により、スマートフォンやPCと電話環境を統合することもできます。
たとえば
・外出先でもオフィスの番号で発着信
・クラウドPBXを利用したソフトフォン通話
・CRMや顧客管理ソフトとの連携で顧客情報と通話履歴を一元化
これらの機能により、業務のスピードと情報管理の質が大きく向上します。
コスト削減・運用効率アップ
最新機種は、従来のビジネスフォンと比べて省エネ設計・保守性の向上・柔軟な構成変更が可能になっており、運用コストの削減に大きく貢献します。
また、IP回線の導入により、内線や支店間通話の無料化、工事・配線の簡略化など、初期費用と維持費の両方を抑えることが可能です。
在宅勤務・多拠点対応にも強い
テレワークやサテライトオフィスの導入が進む中、最新ビジネスフォンはどこにいても社内と同様の通話環境を構築できる設計になっています。
・在宅勤務者のスマホを内線化
・全国の拠点とリアルタイム連携
・出張先でも会社番号での発着信が可能
これにより、柔軟な働き方を支えながらも業務効率を維持・向上させることができます。
従来型ビジネスフォン vs クラウドPBX 比較表
項目 | 従来型ビジネスフォン | クラウドPBX(MOT/TEL)など |
---|---|---|
内線通話 | 社内ネットワーク内のみ対応 | 全国どこでもスマホやPCで内線可 |
スマホ連携 | オプションや追加機器が必要な場合あり | 専用アプリでスマホを内線・外線化可能 |
テレワーク対応 | 基本不可またはVPN設定が必要 | インターネットがあれば即対応可能 |
初期導入コスト | 高額 (主装置・電話機・工事が必要) | 低コスト (アプリとクラウドで完結) |
保守・管理 | 機器ごとの保守が必要 | クラウド上で一括管理、業者依存度低め |
拡張性 (台数追加など) | 工事・機器増設が必要 | 管理画面から設定可能、柔軟に対応 |
通話録音/履歴管理 | 別途装置が必要な場合あり | 標準またはオプションで録音対応 |
停電時の対応 | 停電でも内線や一部通話可(条件次第) | 停電時は利用不可(UPS導入で一部対処) |
移転・レイアウト変更 | 配線工事が必要 | クラウドなので工事不要 |
従来型ビジネスフォンは、移転や拡張時に工事が必要であったり、導入や入れ替えが高額になってしまう、テレワークには対応しずらいというデメリットがありながらも、安定した音質や堅牢な設備による信頼性といった点で今なお一定の強みがあります。
クラウドPBXは、単なる電話の代替ではなく、「業務の効率化・柔軟な働き方・コスト削減・信頼性向上」すべてを実現する次世代の通信インフラです。
働き方が多様化する今、環境の変化に柔軟に対応できるクラウドPBXは、より多くの企業にとって現実的かつ戦略的な選択肢となっています。
スマホだけでOK!ビジネスフォンが必要ないクラウドPBX「MOT/TEL(モッテル)」

MOT/TEL(モッテル)は、スマートフォンさえあればすぐに始められるクラウド型のビジネス電話システムです。従来のような高額なビジネスフォンや複雑な配線工事は一切不要。スマホ1台で、会社宛の電話も、内線通話も、在宅勤務中の通話もスムーズに対応できます。
【MOT/TELの主な特長】
スマホで会社番号の発着信が可能
外出先やテレワーク中でも、スマートフォンに専用アプリをインストールすることで、会社の電話番号を使った発着信が可能です。個人の携帯番号を使わずに、どこにいてもオフィスと同じように電話対応ができ、ビジネスの信頼性を保てます。
在宅勤務・テレワークにも最適な内線通話
MOT/TELなら、離れた場所にいるスタッフ同士でも、スマートフォンやPCを使って無料の内線通話が可能です。オフィスと自宅、外出先をつなぐスムーズなコミュニケーションを実現し、在宅勤務やテレワーク中でも社内と同じ環境で業務が行えます。
通話料削減でコストダウン
MOT/TELは、社内通話を内線化することで通話料が無料になります。また、スマートフォンからの発信も会社の電話回線を通じて行えるため、携帯電話の通話料を大幅に削減可能です。これにより、通信コストを抑えながら効率的な業務運営を実現できます。
専用機器なし・導入も簡単
MOT/TELは、従来のビジネスフォンのような複雑な専用機器や工事は不要。スマートフォンやパソコンにアプリをインストールするだけで、すぐにビジネス通話環境を構築できます。初期費用を抑えながらスピーディーに導入でき、運用の手間も大幅に軽減されます。
カテゴリ: ビジネスフォンの解説・基礎知識