ISDNサービス2028年完全終了?!おすすめ乗換え方法と手順を解説
最終更新日:2025年7月3日

かつて企業や家庭で広く使われていたISDN(INSネット)ですが、NTTによるサービス終了の発表により、今後は徐々に利用できる機能が制限されていきます。
特に、FAXやPOSレジ、警備システムなどISDNを使った通信機器をご利用中の方にとっては、早急な対策が必要です。
ISDN回線を用いた通信機器を使用している企業を除けば、基本的に影響はありませんが、ISDNの終了は通信環境やコスト、業務効率の改善を見直す機会でもあるのです。
- コンテンツの目次
ISDN回線とは?今さら聞けない基礎知識
Services Digital Network/総合デジタル通信網)とは、音声通話だけでなくデータ通信も1本の回線で行える、NTTが提供していた固定電話回線サービスの一種です。1988年に商用提供が始まり、アナログ回線に比べて音質が良く、複数の通信を同時に行える点が大きな特徴でした。
当時はインターネット接続やFAX、POSレジ、警備システムなどにも広く利用され、特に中小企業を中心に多くの業務インフラがISDNをベースに構築されてきました。安定性と導入のしやすさから、「企業向け回線の標準」とも言える存在だったのです。
ISDNの特徴と使われてきた背景
ISDNは、音声通話とデータ通信を同時に扱えるデジタル回線として登場しました。それまで主流だったアナログ回線に比べ、通信速度が速く、ノイズも少ないため、クリアな音質の通話や安定したデータ送信が可能でした。
1980年代後半から普及が始まり、FAX、インターネット接続、POSレジ、ビル管理システムなど、さまざまなビジネス機器に活用されてきました。当時は高速通信の手段が限られていたため、ISDNは革新的なインフラとして重宝されたのです。
なぜ多くの企業が利用していたのか
ISDNが企業に広く普及した理由は、「使いやすさ」「安定性」「同時通信が可能」という点にあります。たとえば、2つの番号を持てる「2チャネル構成」は、電話とFAXを同時に使いたいというビジネスニーズにぴったりでした。
また、特別な配線工事をせずに既存の電話回線網を使える手軽さも大きな魅力でした。結果として、多くの中小企業がISDNを導入し、長年にわたって主力の通信手段として利用し続けてきたのです。
ISDN(INSネット)はもう終了してる?
データ通信(ディジタル通信モード)は、2024年1月に終了していますが、通話モードは2028年末まで利用が可能です。それにより、現在外線通話にISDN回線を利用している場合は、2028年末までに他サービスへの切り替える必要があります。
1. データ通信(ディジタル通信モード)は終了済
NTT東日本・西日本が提供していたINSネットの「ディジタル通信モード」(PC通信・FAX G4 等で使用)は、2024年1月から段階的に終了しました。現在はデータ用途には使えません。
2. 音声・FAX等の「通話モード」は継続中
通話やFAX(G3)は「通話モード」として引き続き利用可能ですが、新規申し込みは2024年8月31日で終了となっています。
3. サービス全体の完全終了は2028年12月31日
INSネット(INS64・INS1500)は、2028年12月31日をもって全サービス提供を終了します。データ通信用途向けの補完策(メタルIP等)もこの日に停止されます。
ISDN終了で何が使えなくなる?
ビジネスフォン・FAX・POS・警備システムなどへの影響
ISDN回線の終了により、これまでISDNのデータ通信(ディジタル通信モード)を利用していた各種機器やサービスが使えなくなります。
たとえば、ビジネスフォンの主装置やFAX機(特にG4対応)、POSレジ端末、ビルの警備システムや遠隔監視装置などは、ISDNの回線に依存していることが多く、サービス終了と同時に通信ができなくなるリスクがあります。特に、複数回線を使っている企業では、電話が鳴らない、FAXが届かない、POSが決済エラーになるといった深刻な業務停止につながる可能性もあるため、早めの対応が求められます。
現在の契約内容を確認するポイント
まず確認すべきは、自社の電話・FAX・通信機器がISDN回線を使っているかどうかです。回線名に「INSネット64」や「INS1500」などと記載されていれば、ISDN契約の可能性が高いです。さらに、ビジネスフォンの主装置や構内交換機(PBX)がISDN専用であれば、機器ごと見直しが必要になるケースもあります。
電話会社の請求書や保守契約書類、工事記録などを見直すことで、どの回線を使用しているかが分かることもあります。不明な場合は、通信機器業者や回線事業者に直接確認するのが確実です。
代替手段はこれ!移行先の選択肢

ISDNの終了にともない、既存の通信手段を見直す必要があります。幸い、現在はISDNよりも便利でコストパフォーマンスの高い選択肢が複数存在します。ここでは代表的な移行先を紹介します。
光回線+IP電話(ひかり電話)
最も一般的な代替手段が、光回線を利用したIP電話(ひかり電話)です。NTTの「ひかり電話」などは従来の電話番号を引き継ぎながら通話ができ、音質も安定しています。特別な操作を必要とせず、ISDNの運用に近い形で利用できるため、移行のハードルが比較的低いのが特徴です。
FAXやPOSも一部の機器を除いて継続利用が可能です。
クラウドPBX
クラウドPBXは、電話の交換機能をインターネット上のクラウドで提供するシステムです。
電話機能は2028年まで利用できますが、これを機にコストや業務効率の改善を目指し乗り換えを検討するのもいいきっかけです。
スマホやPCがビジネスフォン代わりになり、外出先や在宅勤務でも会社番号で発着信が可能。物理的な主装置が不要なため、設置・保守コストも削減できます。ISDNからの切り替えにあわせて、業務のモバイル化・DX推進も検討している企業に最適です。
モバイル回線・VoIPの活用など
小規模オフィスや店舗では、モバイル回線やWi-Fiを活用したVoIP電話サービスも選択肢の一つです。スマートフォンアプリを使って内線・外線通話ができるものも多く、初期コストが抑えられるのが魅力。特に物理的な回線工事が難しい環境や、一時的な拠点に適しています。
ISDN終了はチャンス!通信環境を見直すきっかけに。
2024年のISDNサービス終了は、多くの企業や自治体、個人にとって大きな転機となります。
「今まで使えていたものが使えなくなる」と聞くと不安が先立ちますが、この変化を「不便になる」ことではなく、「便利に変える」ためのチャンスと捉えることが重要です。
「不便になる」ではなく「便利に変える」視点で
ISDNは長年にわたり安定した通信手段として活用されてきましたが、時代はすでにIPベースの通信にシフトしています。
今後の業務や暮らしを考えると、より高速・高品質・強固なセキュリティをもったな通信環境への移行は避けて通れません。
例えば
・複数拠点とのスムーズなやり取り
・クラウドサービスの活用
・テレワーク対応
・防災やセキュリティ面の強化
これらは、すべてIP通信に最適化された環境だからこそ、最大限の効果を発揮します。
早めの準備でトラブル回避を
ISDN終了に伴い、対応が必要な機器や契約の見直しは、思っている以上に多岐にわたります。
直前での対応ではトラブルが起こりやすく、業務やサービスへの影響が出る恐れもあります。
今すぐに現状の設備を点検し、移行プランを検討することが、リスクを最小限に抑えるカギです。
クラウドPBXとは?今注目される理由

ISDN(INSネット)のサービス終了に伴い、ISDN回線を用いた通信機器を使用している企業は通信環境の見直しを行っています。
電話機能はまだ継続可能ではありますが、サービス終了をきっかけとして電話環境の見直しも現在多く進んでおり、コスト削減や業務効率化を目指した次のサービスに選ばれているのが「クラウドPBX」です。
クラウドPBXとは、従来オフィスに設置されていた電話交換機(PBX)の機能を、インターネット上のクラウドで提供するサービスです。物理的な主装置や専用回線が不要で、スマホやパソコンがそのままビジネスフォンとして利用できます。
機器がいらない・スマホで受発信できるなどのメリット
最大の特徴は、電話機や主装置などの専用機器が不要であること。スマートフォンに専用アプリを入れるだけで、会社番号での発着信や内線通話ができるようになります。これにより、在宅勤務・外出先・分散オフィスなど、どこにいても業務電話をスムーズに使えるようになります。
また、機器の設置・保守が不要なため、初期費用や管理コストの削減にもつながります。
実際の移行事例|どんな変化があった?
ISDN回線の終了を受けて、さまざまな業種でクラウドPBXやIP電話などへの移行が進んでいます。導入後は「コスト削減」「働き方の柔軟化」「トラブルの減少」など、想像以上のメリットを感じている企業も多くあります。
中小企業のケース
ある10名規模の中小企業では、これまでINSネットとビジネスフォンを使っていましたが、クラウドPBXへ移行したことで毎月の通信コストが約30%削減。また、営業担当がスマホで会社番号を発着信できるようになり、外出先でもお客様対応がスムーズになったとの声も。保守や故障対応の手間がなくなったことも大きな変化です。
飲食・医療・不動産など業種別の対応事例
飲食店:昼夜のピークタイムに電話応対ができない課題を、留守電+自動応答の機能で解決。スタッフの負担を軽減し、機会損失も減少しました。
医療機関:診療時間外の電話対応を自動音声に切り替え。必要に応じて携帯へ転送も可能にし、緊急時の対応力が向上しました。
不動産業:外出先での内見中でも、スマホで会社番号の着信に対応。商談のタイミングを逃さず顧客満足度アップにつながりました。
移行がスムーズで設定やサポートも充実。クラウドPBX「MOT/TEL(モッテル)」がおすすめ

MOT/TEL(モッテル)は、クラウドPBXで、スマホやPCがそのままビジネスフォンに変わる画期的なシステムです。
MOT/TELへの乗り換えがおすすめな理由
1. 既存の電話番号をそのまま使える
MOT/TELは番号ポータビリティに対応しており、現在使っている会社の電話番号をそのまま継続使用可能。顧客への周知も不要で安心です。
2. 工事不要・最短即日導入も可能
ISDNのような電話線の工事は不要。インターネット環境さえあれば、スマホやPCにアプリを入れるだけで利用開始できます。時間もコストも大幅削減。
3. 既存のビジネスフォンの機能もカバー
内線転送、保留、通話録音など、従来のPBX型ビジネスフォンにある機能がクラウドでそのまま再現可能。操作感も変わらずストレスなし。
4. サポートが充実
導入時の設定支援、マニュアル提供、電話サポートなど、初めてのクラウド電話でも安心のフォロー体制が整っています。
これを機に、電話環境を「MOT/TEL」に切り替えることで、業務の効率化・コスト削減・働き方改革まで一気に進められます。
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