【2025年版】オフィス電話とは?特徴、選び方、おすすめ電話機まで分かりやすく解説
最終更新日:2025年12月18日
オフィスの電話環境は、ビジネスの円滑なコミュニケーションを支える重要なインフラです。
しかし、オフィス用電話機の種類や機能は多岐にわたり、「どれを選べばいいか分からない」と悩む方も少なくありません。
本記事では、オフィス用電話機(ビジネスフォン)の基本的な仕組みから導入メリット、選び方のポイント、おすすめの電話機までをわかりやすく解説します。
近年では、初期費用、月額費用を抑えて導入できるクラウド型ビジネスフォン(クラウドPBX)が注目を集めています。
- コンテンツの目次
1.オフィス用電話機とは
オフィス用電話機はビジネスフォンとも言われ、「主装置」と「電話機」を連携させた主にオフィスで利用される業務用電話システムです。
主装置はPBX(Private Branch eXchange)とも呼ばれ、外部からかかってくる「外線」電話と、社内で通話ができる「内線」電話機をコントロールすることで、社内で外線と内線を連携することができます。
この主装置に接続される電話機(卓上電話機・コードレス電話機)は家庭用の電話機ではできない機能を多く利用することができます。
ここ数年では、クラウド上で主装置のPBXを管理し、手持ちのPCやスマホで上記の機能を利用できるクラウドPBXサービスが需要を高めています。PBXを現場に設置しなくてよいことからコスト面で安く抑えられるのがメリットの1つです。クラウドPBX(クラウド型ビジネスフォン)については最後の方で詳しく解説します。
2.オフィス用電話機と家庭用電話機との違い
家庭用の電話機はオフィス用電話機と違い、電話線を直接電話機へ繋げます。主装置が必要ない分、機能もシンプルです。電話番号(電話回線)1つに対して1台の電話機が対となり発信・着信が行えます。
シンプルな分、柔軟性がなく電話機をもう1台買ってきても2台で着信を受けたり、発信することができません。2台で発信・着信をしたい場合は電話回線を増やす必要があります。
電話回線や電話機を増やしても相互に影響するわけではなく、別々の電話扱いなのでA電話機とB電話機が通話をすれば通話料金がかかります。また当然のことながら、会話を保留して別の電話機へ転送もできません。
上記の様な運用を行いたい場合は、オフィス用電話機を利用する必要があります。オフィス用電話機では電話回線を主装置へ集めて収容することでそれぞれの電話機で対応することができるようになります。
上記のイメージではA電話機/B電話機共にA番号・B番号を使った発着信が可能になります。また、A電話機とB電話機が通話する場合には通話料金のかかる外線通話ではなく、通話料がかからない内線通話になります。
3.オフィス用電話機の特徴
家庭用の電話機では利用できない機能がオフィス用電話機では利用することができますので、機能を順に見ていきましょう。
内線
同じ主装置に繋がっている電話機なら、通話料がかからない通話の内線通話が利用できます。本記事でも何度かご紹介していますが、ビジネスフォンの特徴機能の1つです。
内線通話ができる仕組みは、オフィス用電話機で利用する電話機は主装置によって内線番号が設定されます。内線番号によって通話ができるので通信事業者の回線を使用せず通話料がかからないのです。
代表組
代表組とは、複数の電話回線をまとめてグループ化し代表番号を設定することで、同じ番号で複数の通話ができる機能です。企業の代表番号や部署の番号などはこの代表組でグループ化されています。
保留・転送(取次ぎ) 通話中の会話を一度保留状態にして、別社員の電話機から通話を開始できます。 Aさんが通話開始、Bさんが取次ぎ先の社員の場合の転送手順は、
- 【転送の手順】
- 1. Aさんが発信者(顧客や取引先など)との通話を保留する
- 2. Bさんの電話機に設定されている内線番号へ発信
- 3. AさんとBさんとの通話が開始
- 4. Bさんへ保留されている外線番号を伝えて通話を切る
- 5. Bさんは伝えられた外線番号を押すと発信者との通話が開始
となります。
同じフロアなど近い社員に通話を代わってほしい場合には口頭で「外線〇〇番お願いします」の様に伝えることで簡単に取次ぎができます。
保留・転送機能について詳細はこちら:https://www.mot-net.com/mottel/hold_transfer
4.オフィス用電話機の導入メリット
オフィス用電話機の導入メリットを会社で家庭用の電話機を利用した場合と比較して見ていきます。
例としてA会社:1階が営業担当、2階が総務、3階に社長が働いており、各階に家庭用の電話機を設置しているケースでご説明致します。
通信コストの削減
各階に設置された家庭用の電話機はそれぞれ電話回線を契約する必要があります。3台家庭用の電話機が設置してある場合、3回線分の契約が必要になります。
通信コストは回線料金×3、通話料×3となります。
ではオフィス用電話機を利用した場合はどうでしょうか?
オフィス用電話機では主装置によって複数の電話機で電話回線や電話番号を共有することができる為、1回線で3台の電話機を利用することが可能です。
1回線でも社長用・総務用・営業用3台の電話機で発着信が可能なので、回線料金の削減に繋がります。また、社内の電話機間の通話が通話料のかかる外線通話ではなく通話料金のかからない内線通話になるので通話料金も削減されます。
3台の電話機で同時に外線通話を行いたい場合は電話回線を増やす必要がありますが、あまり電話を使わなければ上記の様に最小回線数でもオフィス用電話機を利用できます。この様にオフィス用電話機は家庭用の電話機に比べて通信コストを削減できるメリットがあります。
電話業務の効率化
家庭用の電話機の場合、電話機毎に利用できる電話番号が決まっていて、別の電話機で他の電話機の通話を受けたりすることができません。
例えば、HPに掲載する電話番号を2階の総務用電話機に設定してある番号とすると、2階の総務用電話機しか着信しません。総務用電話機に社長宛てや営業担当宛ての着信が来た場合、社長や営業担当に2階へ移動してもらわないと対応ができません。また、社長が総務用の電話機で対応中に社長用の電話機へ着信が来た場合、誰も対応ができません。
一方、オフィス用電話機では取次ぎ(保留した通話を他の電話機で取る)が可能なので2階の総務で電話機で受けた着信を保留して3階の社長や1回の営業担当が自身の階の電話機から電話に出ることができます。階を跨ぐ移動などがなくなり効率よく電話業務が可能です。
導入メリットをまとめると、
- 【導入メリット】
- ・導入メリット1:通信コストの削減
- ・導入メリット2:電話業務の効率化
となります。家庭用電話機でビジネスを行っていくのは限界があります。起業や独立の際は、オフィス用電話機の導入を検討してみる価値はあるでしょう。
5.オフィス用の電話機選びの3つのポイント
オフィス電話機が必要になり、選定をしているなか、「種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない」という声も少なくありません。オフィス用電話機を選ぶうえで押さえておきたい【3つのポイント】を紹介します。
1.機能性:業務に必要な機能を見極めよう
電話機にはシンプルなものから高機能なものまで幅広くあります。たとえば、以下のような機能があります。
- ・複数回線対応:複数人が同時に通話可能に。代表番号の同時着信にも対応。
- ・転送・保留・内線通話:社内の連携を円滑にするために必須の機能。
- ・留守番電話・録音機能:営業時間外の対応やトラブル防止に役立ちます。
- ・ヘッドセット対応:長時間の通話やPC作業と並行する場合に便利。
- ・クラウドPBX対応:スマホやPCでも会社番号で通話できる先進的な選択肢。
業種や業務内容に応じて、必要な機能を明確にしておくと、選定がスムーズになります。
2.予算:コストと効果のバランスを考える
電話機の価格は数千円のシンプルなものから、数万円する高機能モデルまでさまざまです。また、クラウド型ビジネスフォンのように初期費用を抑えて月額料金で運用するサービスもあります。
- 予算を考えるうえでのポイント
- ・初期費用(購入費・設置費)
- ・月額費用(回線使用料・保守管理費)
- ・導入後の業務効率向上による費用対効果
単に安いものを選ぶのではなく、自社にとって長期的にメリットのある投資かどうかを基準に選びましょう。
3.利用環境:オフィスの規模や働き方に適しているか
電話機は設置環境や働き方により、最適な機種が異なります。
- ・小規模オフィスや在宅勤務が多い場合:スマホで会社番号が使えるクラウド型ビジネスフォンが特に便利。
- ・コールセンターや営業部門:同時通話や録音機能がある多機能タイプが適しています。
- ・支店が複数ある企業:拠点間の内線通話ができるネットワーク対応型が有効。
このように、オフィスの規模や働き方を考慮することも重要なポイントです。
6.おすすめオフィス用電話機(ビジネスフォン)4選
次におすすめのオフィス用電話機について記載します。
MOT/TEL(モッテル)
「MOT/TEL」は、株式会社バルテックが提供しているクラウド型ビジネスフォンです。クラウド型のため、電話機を買う必要が無く、手持ちのスマホやPCを利用できるため、初期コストが抑えられるのがメリットの1つです。(次章でクラウド型ビジネスフォンについて詳しく解説)また、「MOT/TEL」は、15年に渡る開発を重ね、全国各地に設置されたデータセンターを活用した高音質な通話・CTI(顧客情報表示)やIVR(自動音声案内)など、多機能搭載を実現しています。導入実績は32,000社を超え、中小企業から大企業まで幅広く利用されています。
αZXⅡ NTT東日本/西日本
「αZXⅡ」は、NTT東日本が提供するビジネスフォンのフラッグシップモデルで、ホームタイプの小規模オフィスから多拠点企業など大規模オフィスまで対応可能な多機能型PBXシステムです。
最大10,000ポートまで対応し、幅広い業務機能を統合。BCP対策やテレワーク支援にも強く、業種・規模を問わず高い通信基盤を構築できます。
PLATIAⅢ Saxa(サクサ)
サクサのPLATIAシリーズは、導入コストを抑えつつも、内線管理や着信転送、ボイスメール、通話録音など、必要な機能が一通り揃っているのが魅力です。
操作もシンプルで、スタッフがすぐに使いこなせます。スモールオフィスや医療・士業事務所に特におすすめのモデルです。
integral X HITACHI
日立の「インテグラルX」は、中小〜大規模オフィス向けのIP対応ビジネスフォンシステムです。
内線数や回線数の増減に柔軟に対応でき、クラウドPBXやスマートフォン内線化との連携も可能。通話録音やIVR、遠隔拠点接続など多彩な機能を備え、業務効率化を強力にサポートします。堅牢かつ安定した通信環境を求める企業におすすめのモデルです。
7.手軽に安く導入できるクラウド型ビジネスフォン
オフィス用電話機の機能は便利で利用したいけど初期投資を抑えたい…、この先どうなるか分からないので長期間の縛りがあるリース契約はしたくない…という方におススメする電話サービスがクラウド型ビジネスフォンです。
クラウド型ビジネスフォンは、従来オフィス内に設置していた主装置の機能をクラウド上に展開し、スマホやPCを使ってインターネット経由で通話を行う仕組みです。
利用できる機能は提供会社によって違いますが、株式会社バルテックが提供するクラウド型ビジネスフォン「モッテル」では今回ご紹介したビジネスフォンの機能(内線・外線・代表組・取次ぎ)が全て利用できます。
場所を問わず使える柔軟性
「モッテル」はインターネット接続が可能な環境であれば、日本全国どこでもビジネスフォンとして使えるため、外出先から会社番号で発信したり、会社宛ての着信を自宅や外で受けたりすることができます。
ビジネスフォンでは固定電話のある場所でしか利用できませんでしたが、モッテルではインターネットが接続できる場所なら日本全国どこでも利用することができます。その為、外出先から会社番号を使った発信や会社宛ての着信を取ったり、取次ぎで電話を代わったりすることができます。
スマホで簡単に切り替え
モッテルは、従業員が個人で使っているスマートフォン(iOS/Android)にもアプリを入れることで利用できます。
アプリ経由の通話は会社に課金され、通常の通話アプリ経由は従来通り個人に課金されるため、プライベートと仕事を明確に分けて使えます。
安価かつ導入も簡単
(税別)、月額5,980円(税別)+番号利用料金:500円(税別)~で利用できます。リース契約の様に長期間の縛りもなく1ヵ月など短期利用も可能で、050や0120の番号利用であれば工事なども不要で手軽に導入することができます。
8.まとめ
オフィス用電話機(ビジネスフォン)の選び方は、業務に必要な機能性、予算、利用環境の3つのポイントを押さえることが成功の鍵です。
日本を代表する信頼性の高いメーカーも多く、多様なニーズに対応できるモデルが揃っています。近年はクラウド型ビジネスフォンの登場で、導入コストを抑えながら柔軟に運用できる選択肢も増えました。自社の業務スタイルや将来の展望に合わせて最適な電話環境を整え、円滑なコミュニケーションでビジネスの成長を後押ししましょう。
カテゴリ: ビジネスフォンの解説・基礎知識



