kintone(キントーン)とは? できることや活用方法をわかりやすく解説
最終更新日:2024年6月27日
- コンテンツの目次
1.kintone(キントーン)とは?
kintoneとは、業務プロセスやデータの管理を効率的に行えるクラウド型の業務アプリケーションプラットフォームです。
Cybozu, Inc.(サイボウズ株式会社)が提供しています。
これを利用することで
・自社の業務に合わせたアプリの作成がノーコードでできる
・膨大なデータを一元化・共有できる
・業務効率の改善を期待でき、高度なセキュリティでデータを守れる
・コミュニケーションを円滑化・活性化できる
など、簡単なアプリ作成ができ、ニーズに合わせた運用できるようになります。
2.kintone(キントーン)でできること
キントーンのでできる事はたくさんありかすが、大きく7つに分けられます。
①自社形態に合わせたアプリの作成
②顧客・案件の管理
③稟議・承認などのワークフロー・プロセス管理
④問い合わせ管理
⑤資料の共有と管理
⑥スケジュール管理
⑦アイディアと情報の共有
それぞれを解説していきます。
①自社形態に合わせたアプリの作成
kintoneでは、業務に役立つアプリを作成できます。
顧客管理・案件管理や、日報・スケジュール管理、受注管理、お問い合わせ管理などの主要業務に活用できるアプリから、導入にコストをかける程ではない小さな役割のアプリの作成もできるので、業務の効率化を促進できます。
アプリはカスタマイズ可能なため、自社の運用形態に合わせたアプリの作成が可能です。
また、kintoneには、既存のアプリも多数あり、導入後すぐにダウンロードして利用を開始する事もできます。
②顧客・案件の管理
顧客管理は、顧客の情報や取引の履歴を管理することです。
一般的に行われているExcelでの顧客管理ではデータを共有しにくく、また、複数の人が同時に編集できないなどの課題があります。
kintone(キントーン)のでは、データを一元で管理でき、いつでも編集・確認・修正が可能であり、さらにより自社に合わせたカスタマイズで効率的な業務処理ができます。
それぞれの案件の見込み時期や活動履歴も管理可能です。
③稟議・承認などのワークフロー・プロセス管理
kintone(キントーン)は業務プロセスをカスタマイズできるので申請者や承認者、承認フローの条件や手続きなどが自由に設計できます。
社内稟議・経費申請などの承認状況を把握できる、プロセス管理機能が使用できます。
企業によって申請プロセスや申請内容は異なりますが、自社にとって必要な機能の設計が実現できるのです。
④問い合わせ管理
kintoneは、自社オリジナルの問い合わせ管理システムを作成することが可能です。
問い合わせの受理から対応までをシームレスに実現することができます。
一元管理することで対応漏れや二重対応を防ぎ、傾向を分析することで顧客対応の質もアップします。
問い合わせに関する社内の連絡や相談、対応の履歴も履歴に残し、ノウハウやナレッジの共有を可能になり、各スタッフの対応スキルを均質化することができます。
⑤資料の共有と管理
1ユーザーあたり5GBのディスク容量を使ってファイル保存が可能で、変更履歴管理や編集後も任意の時点の状態に復元できるバージョン管理の機能も備えています。
保存したファイルは中身の情報やファイル名も含めて一括検索できます。また、更新や修正などでファイル数が増加した場合にも、絞り込み・並べ替えが可能です。
コミュニケーション機能やアクセス制限機能、外部システム連携機能などもあり、セキュリティを保ちつつ柔軟なファイルの共有・管理ができます。
⑥スケジュール管理
アプリ管理権限のあるユーザーが作成したカレンダー形式に対し、他のユーザーはkintone内でスケジュール一覧を閲覧したり、カレンダーへスケジュール追加したりできるようになります。
スケジューラーとの活動記録の一体化も可能です。日時で指定できるリマインダー機能もあるため、対応漏れ防止としても活用できるでしょう。
⑦アイディアと情報の共有
kintoneにあるアイディアボックス機能には、従業員から業務に関するアイディアを常時収集可能です。
アイディアボックスは、アイディアの投稿、コメントや質問機能、ディスカッションやブラッシュアップもその場ででき、現場の業務改善にも繋がります。
社外の人と一時的に会話ができるゲストスペースもあるため、情報漏洩をはじめとするセキュリティリスクも下げられるでしょう。
3.kintone(キントーン)活用事例
営業・セールス
必要書類の準備、確認に多くの時間と手間、また、紙媒体での契約書を交わす際も先方のアポイントや送付の手間が課題でした。
営業・セールス部門にkintoneを導入した企業では、クラウドサインによって契約書を取引先に持参する必要もなくなりスムーズな契約締結が可能になります。
必要な書類を一括管理契約書や注文書などのデータをkintoneに登録し一括管理。
すぐに必要な書類にアクセスできることは、効率的な営業活動につながります。
総務・人事
採用情報は他部署との共有が難しく管理か属人化しやすい傾向にありました。
総務・人事にkintoneを導入した企業では、採用業務の効率を大幅に改善することができます。
エクセルでの従来のデータもそのまま取り込むことが可能。
データ管理を統一することで、部門や店舗を跨いだ情報共有を実現できます。
広報・マーケティング
広報・マーケティング部門にkintoneを導入すると、業務システムの開発プラットフォームとしてkintoneを活用できます。
kintoneはAPIやJavascriptによるカスタマイズが可能であることやプラグイン機能を備えていることからシステム開発の基盤となります。
柔軟性がありながら、スピーディーな開発が実現します。
帳票出力アプリも連携し、業務オペレーションが大幅に効率化されます。
開発・品質保証
紙媒体の記録だと、過去の記録が見つからなかったり、書類の劣化や保存の問題、などの課題があります。
開発・品質保証に関する業務にkintoneを導入すると、記録をなどをデジタル化するとともに、情報共有の基盤をkintoneになり共有や保存、進捗状況の確認が解決されます。
管理個人が持っていたデータを共有することができたり、必要な時に必要なデータをすぐに閲覧することが可能です。
進捗も見える化できるので関係者とのコミュニケーションを取ることができ業務を円滑になります。手書きの帳票がなくなる事で人的ミスも削減されます。
販売
メール、問い合わせ対応の遅れや漏れ、対応内容の共有が難しいのが課題でした。
販売に関する業務にkintoneを導入した企業では、そのような問い合わせ内容を効率的に管理でき、サービスの効果的な改善につながります。
各店舗の顧客の声を効率的に本部に報告することが可能です。
メールワイズで問い合わせに関する内容を管理kintone・メールワイズ・Microsoft Azureの3つのクラウドサービスを組み合わせて、問い合わせに対する返答を一元管理。メールの返信状況は一覧で確認できるようになったり、メール管理の属人化を解消できます。
4.kintone(キントーン)のメリットと効果
kintone(キントーン)には、次のようなメリットがあります。
・業務に必要なアプリを必要な数だけ作成できる
・操作が簡単で分かりやすい
・テンプレートが豊富で、短時間で目的のアプリが作成できる
・情報共有におけるリアルタイム性が高く、スピードを求められる業務に役立つ
・ランニングコストが安価
・メンバー間の情報共有も効果的に行える
・クラウド型サービスのため、モバイル対応も可能
・サポート体制が充実している
kintoneは、ITに詳しい方がいなくても業務に使えるアプリを作ることができます。また、コーディングの知識が無くても開発でき、開発画面は初心者でもわかりやすい作りとなっています。
kintoneでは、業種や業務ごとにサンプルのアプリが用意されているため、自社の目的に適したアプリを作成できます。
5.kintone(キントーン)のデメリット
一方でkintoneには、次のようなデメリットがあります。
・有料プラグインの費用負担
・アプリが乱立し、整理が難しい
・複雑なアプリの構築や機能拡張は素人には難しい
・一人あたり5GBまでという容量の制限がある
・実現したいことがkintoneの基本機能で出来ない場合がある
・会計機能や大量のデータの取り扱いが苦手
kintoneは、業務改善プラットフォームであるため、特定のサービスに特化したような機能は備わっていません。
6.kintone(キントーン)とCTI電話連携
CTIとは、コンピューターと電話を統合した技術またはその技術を使ったシステムのことをCTIシステムと呼びます。
CTIシステムを利用すれば電話とkintoneを連携して、着信時に情報を表示したりkintoneから直接発信したりすることができます。
クラウドPBX(クラウド電話)「MOT/TEL」なら標準でkintoneと連携できる機能を備えています。kintoneをお使いであれば、着信時に自動でkintone画面を表示できるCTIをすぐに使うことができます。
クラウドPBX MOT/TELとkintoneをCTI連携することで、電話業務を効率化します。
7.kintone(キントーン)の価格
kintone(キントーン)の料金プランは、ライトコースとスタンダードコースの2種類があり、いずれも5ユーザーから契約できます。
ライトコースは1ユーザーあたり月額780円(年額9,170円)、スタンダードコースは1ユーザーあたり月額1,500円(年額17,640円)です。
スタンダードコースは、API・javascript・プラグイン・Webhookが利用可能で、外部サービスとのデータ連携や、kintoneのさらなるカスタマイズが可能です。
kintoneは、業種に関わらず幅広い業務の効率化に役立つサービスですが、料金は場合によっては高いと感じるかもしれません
※ 2024年秋より価格改定を行います。詳しくはクラウドサービスの価格改定に関するご案内をご確認ください。
8.kintone(キントーン)アプリの作り方
kintoneでアプリを作成する手順は非常に直感的で、GUIベースの操作で簡単にアプリケーションを構築できます。以下は、kintoneで基本的なアプリを作成する手順の概要です。
- 1. ログイン まず、kintoneにログインします。
- 2. アプリの新規作成
ログイン後トップページの「+」アイコンまたは「アプリを作成する」をクリックします。
「あたらしくアプリをつくる」の中から「はじめから作成」を選択します。(または既存のテンプレートを使用してアプリを作成することもできます。)
- 3. アプリ設定
アプリの名前やアイコン、説明を設定します。
- 4. フィールドの追加
「フィールドを追加する」をクリックして、必要なフィールド(例:テキストボックス、日付、ドロップダウン、チェックボックスなど)をフォームにドラッグ&ドロップします。
各フィールドの設定を開き、フィールド名や必須設定などの詳細を調整します。 - 5. ビューの設定
レコードの一覧表示形式を設定できます。デフォルトの一覧表示やカレンダー表示、カスタムビューなどを設定することができます。
- 6. アプリのアクセス権設定
「アクセス権」のタブを選択し、アプリの利用権限やレコードの編集権限などを設定します。
特定のユーザーやグループに対して、アクセス制限や編集制限を設けることができます。 - 7. プロセス管理の設定(オプション)
承認フローや業務フローを持つアプリを作成する場合は、「プロセス管理」を設定します。
ステータスやアクション、進行役割などの詳細を設定して、フローをカスタマイズします。 - 8. アプリの公開
全ての設定が完了したら、「公開」ボタンをクリックしてアプリを公開します。
公開後、kintoneのトップページから新しく作成したアプリを開き、実際にレコードを追加して動作を確認します。
以上がkintoneでアプリを作成する基本的な手順です。しかし、kintoneは非常に柔軟なプラットフォームであり、JavaScriptやAPIを使用して、さらに高度なカスタマイズや連携を実現することも可能です。
9.kintone(キントーン)の将来性とまとめ
デジタルトランスフォーメーション (DX) の波が高まる中、kintoneのような業務アプリケーションプラットフォームの重要性は増しています。
特に中小企業やスタートアップにとって、迅速かつ低コストで業務プロセスをデジタル化するツールとしての価値は計り知れません。
また、近年はRPA(Robotic Process Automation)やAI(Artificial Intelligence)の技術が進化し、これらの技術との組み合わせで、更なる業務の効率化や自動化を目指す動きも活発になってきました。
kintoneが提供するAPIやプラグイン機能を活用することで、これらの最新技術との連携も容易になると考えられます。
kintoneは、業務プロセスの効率化やデータの中央集約を実現する強力なクラウドプラットフォームです。
プログラムの専門知識がなくても、直感的な操作で必要なアプリケーションを作成できることから、多くの企業や組織での採用が進んでいます。今後の技術の進化とともに、kintoneの可能性はさらに拡がっていくことでしょう。